森川ジョージ「ようやく設置できた」日本漫画家協会「漫画に関する悩みや相談窓口」設置の理由は?

■日本漫画家協会も苦悩している

  今年は、生成AIの問題が漫画家はもちろん、ファンをも巻き込んだ大きな議論になっている。そのなかで、生成AIに疑念を抱く人からは日本漫画家協会の対応を批判する声があり、「なぜ協会で生成AI規制の意見を出さないのか」という意見もあった。しかし、漫画家の間でも生成AIについては賛否両論様々な意見があるため、統一の見解を出すことは難しいのではないかと推測される。

  というのも、漫画家が置かれている立場や発表している媒体、描いている作品のジャンルによっても考えが大きく異なるためだ。いわゆるクリエイター系の団体が、純粋に利益を追求するだけの他団体のように一致団結することが難しい理由は、そこにある。

  協会のWEBサイトによれば、回答内容を検討するのは協会の常務理事のグループであり、知識と経験に基づいたアドバイスが受けられるようだ。日本の漫画は今や世界中で読まれるエンタメになっている。現役の漫画家が存分に活動できるように、日本漫画家協会には、会員から受けた相談についてきめ細やかな対応が求められるのは言うまでもないだろう。

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