「町の本屋」今後どうなる? 全国にある書店の現状や未来にフォーカスした『ルポ書店危機』発売

■書店は存続するのか、それとも消滅してしまうのか?

山内貴範『ルポ書店危機』
『ルポ書店危機』(山内貴範)

 現在書店が街からなくなりつつある。2003年に約2万店あった全国での書店数は2024年には約1万店舗まで落ち込み、現在書店のない市町村は全国で26%にのぼるという統計があるほど加速度的に街からなくなっている。今後、書店はどこへ向かうか、書店の現状にフォーカスした『ルポ書店危機』が2024年5月2日に株式会社blueprintより刊行された。

 書店がなくなり、街はどのように変化をしているのか。全国のさまざまな場所に向かい、書店がなくなり風景が変わりつつある街や大手書店がある街、書店員へのインタビューなどどを丁寧に取材。

 秋田県羽後町にある小さな書店の奮闘記や首都圏での書店の取り組み、名物書店員へのインタビュー、図書館の動向や個性あふれる小規模書店に影響を受けて生まれた出版社など、書店の現状と未来に焦点を当てた内容です。

■目次
はじめに
総論:書店閉店の負の連鎖は断ち切れるのか

第一章 地方書店
岐路に立つ地方の中小書店の現状
過疎化、少子化に苦しむ地方の書店は、今後何に活路を見出すのか
人気のあるタイトルは、地方の書店で仕入れることはできるのか?
「【推しの子】って今売れているんですか?」
村上春樹、最新長編小説『街とその不確かな壁』発売にファン歓喜 都市部と地方書店との対比をみる
「転売屋」はなぜ根絶できないのか 書店で起こっている転売問題も含めて考える
地方書店の相次ぐ閉店 高齢者が本を買う場所がなくなる状況、シニア向け雑誌にも大きな影響? 地方の書店 収益源は何だった?
書店員が語る、地元名士の存在「ハードカバーの高額本は家の中で目立つ」
地方の書店の未来
コラム 地域で活躍する消しゴムハンコ作家に聞く 中小書店の御書印を制作した想いとは?

第二章 書店ルポ
書店員としての生き方
文教堂横須賀MORE’S店副店長井上昭夫「面白い本をしっかりと届けたい」
書店と街の関係
沼津駅 アニメの聖地で書店が復活
京都 書店からアニメショップへの変貌
福井駅 北陸新幹線開業で書店への影響
静岡駅 地方都市最大級のアニメショップが誕生
甲府駅 書店空白地帯に大型書店がオープン
北越谷駅・越谷駅 書店消滅の街を歩く
川越駅 地方都市では稀有な書店の充実度
青森“ポップごと売る本屋“の木村書店閉店の衝撃
札幌 大型店を中心に賑わう
コラム 中川淳一郎に聞く雑誌の未来 「ネットより雑誌のほうが自由な表現の場になっていく」

第三章 行政と書店
読み聞かせイベントは、未来の顧客を育てる上で有効
しかし、その前に書店が消滅する恐れも?
書店のない街に書店をーー自治体が運営する唯一無二の書店
青森県八戸市の八戸ブックセンターはいかにして生まれのたのか?
書店の脅威となっている万引き被害 今と昔でどう変わったのか
コラム 本屋での“立ち読み“は日本独自の風習だった? 知られざる江戸時代のルーツとは

第四章 本を売る場と出版 新たなる関係
コンビニの悩みと独自路線化
話題の出版社、点滅社・屋良朝哉が出版社を立ち上げたのは
ある書店との出合いがあったーー重版出来『鬱の本』への思いと共に聞く

【書籍情報】
タイトル:『ルポ書店危機』
著者:山内貴範
発売日:2024年5月2日
※発売日は地域によって異なる場合がございます。
価格:2,420円(税込価格/本体2,200円)
出版社:株式会社blueprint
判型/頁数:四六判ソフトカバー/256頁
ISBN:978-4-909852-50-2
Amazon、blueprint book store他、各書店にて発売中です。
Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4909852506

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https://blueprintbookstore.com/items/6597c5b1ff050416c381f125

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