「著作権法違反に該当」本の掲載作品を模倣しフリマサイトへ出品 ハンドメイド作家に出版社が注意喚起 

■ハンドメイド作家がトレンドに

  フリマサイトで昔から人気の商品のひとつが、ハンドメイドの作品である。手芸店などで購入した材料を使うなどして制作した品物が、数百円、数千円で販売されている。合間に趣味感覚で作ることができ、さらにコロナ禍の期間に自宅でできる手仕事が人気になったこともあって、出品数が増えているといわれる。

  そんなハンドメイド作品に対する、このような注意喚起が話題になっている。「装苑」「ミセスのスタイルブック」を筆頭に、手芸や洋裁関連の雑誌や書籍を数多く出版している文化出版局の販売部の公式Xが、書籍に掲載された作品を“コピー”した商品がフリマサイトで販売されている実態に触れ、それらの行為は著作権法違反に該当すると注意を呼び掛けている。

  公式Xでは「フリマサイト等で販売されているハンドメイド品の中に、本の掲載作品をコピーした商品が出品されていることがあるのをご存知ですか?」と呼びかけ、「本の掲載作品は、作家に著作権があります。刺繡・編み物の図や、洋服のパターンなど、本に掲載されている作品の全部(または一部)を模倣し、それを販売することは著作権法の違反行為になります」と述べた。

  そして、「それを買うことも違反行為に加担してしまうことになるのです」と、注意喚起を行った。この問題はハンドメイド作品の制作者側も、そして買い手側も、まさか著作権法に違反するとは意識していなかったと考えられる。制作者側も、おそらくであるが、悪気があって行っている例は少ないのではないだろうか。制作したものを、せっかくきれいにできたのだからフリマサイトで売ってみよう、という感覚でいるのかもしれない。

  しかし、同社はこう呼びかける。「作家のみなさまは、本一冊が出来るまで身を削るような努力を重ね、作品を生み出しています。どうか作家のみなさまが安心して創作活動ができるように、著作権侵害についての理解を深めていただき、もしも身近でそのような行為をしている方がいましたら、その方に伝えていただけないでしょうか」

  近年、フリマサイトの出品について講習会や勉強会が各地で行われ、気軽にできる出品としてハンドメイド作品が扱われることも少なくない。カルチャースクールなどでもハンドメイド作品は定番人気になっているという。しかし、デザインや図の著作権に関しては、これまであまり注目されることは少なかったといえる。フリマサイトが身近になっているからこそ、クリエイターに対するリスペクトの精神を忘れず、こうした問題に出品者一人一人が向き合うことが重要といえる。

 

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