コナンvs怪盗キッド再び? 劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』公開前に振り返る対決エピソード

コナンvs怪盗キッドの対決を振り返る

 探偵漫画の金字塔『名探偵コナン』。1997年に公開された『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』より映画シリーズ化され、現在まで26作品続いている。

 その最新作となる『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が4月12日より公開予定。北海道・函館を舞台に新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀をめぐって、怪盗キッド、服部平次らとお宝争奪戦が繰り広げられる。

 怪盗キッドが登場する劇場シリーズといえば、ライバル同士であるコナンとキッドの直接対決が見どころのひとつ。そこで本稿では、劇場版公開前にコナンとキッドの対決エピソードを振り返っていきたい。

怪盗キッド初登場回(第16巻)

 キッドとコナンの対決において、キッドの初登場回ははずせないエピソードだ。世間を賑わす「怪盗1412号(キッド)」が狙うのは、米花博物館の宝石展覧会で出品されている鈴木財閥の家宝・世界最大の黒真珠”漆黒の星(ブラックスター)”。機械を使わずに何人もの声色を操ったり、得意の変装で完璧に成り済ましたり、華麗に警察を欺く姿は幾多の犯罪を見てきたコナンをも驚かせた。

 物語の後半、蘭に変装したキッドは鈴木家から真珠を盗み出すことに成功。だが、目の前にいる蘭がキッドの変装と見破っていたコナンは、盗みのトリックも解き明かし、キッドに参ったと言わしめる。真珠を守りきったことで対決にも決着がついたかに思えたものの、キッドには逃げられてしまう結末に。

 2019年の劇場版「名探偵コナン 紺青の拳」では協力し合う場面もあり、今ではよきライバルのような関係性にも見えるが、初回登場時はまさに敵同士。キッドが”怪盗は芸術家だが探偵はただの批評家”と発言したこともあいまって、探偵と怪盗、決して相容れない空気をひしひしと感じた印象的なエピソードであった。

"空中歩行"で観客を惑わす(第44巻)

 キッドといえば、泥棒ながらも人々を惹きつける見事なマジックが魅力である。鈴木財閥相談役・鈴木次郎吉に伝説のアクアマリン”大海の軌跡(ブルー・ワンダー)を餌に、挑戦状を叩きつけられたキッド。挑戦に乗ったキッドは、重力に逆らい宙に浮く、驚異の”空中歩行”で下見に来てみせたのだ。警察は警戒してさらなる警備を敷くも、予告時間ぴったりにキッドは再び空中を優雅に歩いて現れる。

 実はこの宙を歩くパフォーマンスは罠で、キッドは次郎吉に扮して宝石を持ち逃げしていた。しかし、それに気づいていたコナンは、ワイヤーとヘリコプターを利用した空中歩行のトリックを見抜き、無事宝石を奪還したのだった。ただ、奪い返したというよりも、キッドの目当てのものでなかったため返還されたという方が正しい。売られたケンカを買うために壮大な奇術を仕掛けたキッド、そして確実にトリックを紐解いていくコナンのお互いを意識した頭脳戦に引き込まれたエピソードだった。

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