映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』期待は告白シーン 服部平次と遠山和葉“すれ違い”の歴史から考察

『名探偵コナン』30周年企画が凄い

新一と蘭の関係に触発されて……

  一向に関係が進展しない2人だったが、新一がロンドンのビッグベン前で蘭に告白したことをきっかけとして、平次は積極的に和葉への想いを伝えようとし始める。その根底には新一へのライバル心もあり、“よりロマンチックな告白”を実現しようと目論んでいく。

  一度、大阪のえびす橋(ひっかけ橋)で告白めいた言葉を口走ってしまった平次だったが、それをなかったことにしてあらためて最高のシチュエーションで告白することを計画。88巻の「ゾンビが囲む別荘」では、そのために和葉を貸別荘へと誘うものの、周辺にゾンビの仮装をした人が溢れていたことから、「ここやないな…」と告白を諦めるのだった。

  さらに90・91巻収録の「コナンと平次の鵺伝説」での平次は、山奥にある絶景スポットで、前回失敗した告白の続きをすることを考えていた。しかし案の定というべきか、殺人事件に巻き込まれることに。その後、事件を解決した後に「お前の…コト…」と、思いの丈を口にしかけるが、応援要請を受けた自衛隊がヘリコプターで到着。ムードがぶち壊しになったため、平次はとっさに「雑炊」の話で誤魔化してしまう。

  こうしていつまでも読者たちをヤキモキさせている2人だが、そこに大岡紅葉という恋のライバルまでもが登場し、ますます恋の成就が遠くなっているようにも見える。紅葉は平次のことを「未来の旦那さん」として狙っている人物で、告白を妨害するという強硬手段に及ぶこともある。

  98巻収録の「大岡紅葉の挑戦状」では、平次がロマンチックなラブリースポットで告白することを狙い、「これからお前にオレのハートを伝える」とまで言いかけるのだが、振り返ると和葉の代わりにコナンが立っていたというオチ。これは紅葉が執事の伊織無我を操って妨害した結果だった。

  なお、『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』では紅葉の登場が予告されているほか、怪盗キッドもメインキャラクターとして登場する予定だ。キッドに関しては、96巻の「キッドVS高明 狙われた唇」で和葉に変装した際、危うく平次からキスされかける……という事件があったことで知られている。

  ある意味因縁がある登場人物たちが一堂に会する劇場版最新作。果たして、今度こそ平次の想いは和葉に伝わるのだろうか。

©青山剛昌/小学館

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