『呪術廻戦』虎杖悠仁、今後“見せ場”はやってくる? 最終決戦で注目が集まる覚醒フラグと「播磨」の伏線

『呪術廻戦』虎杖悠仁、“見せ場”はある?

※本稿は『呪術廻戦』原作最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。

 『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されているマンガ『呪術廻戦』では現在、最終決戦と見られるバトルが繰り広げられている。そこで読者たちの関心を集めているのが、「主人公・虎杖悠仁の見せ場があるのかどうか」ということだ。

  というのも虎杖は「渋谷事変」以降、あまり目立った戦績を残していない。そしてその一方で、劇的な進化を予感させるような“覚醒フラグ”だけが着々と積み上がっている状況にある。そこで本稿では、最終決戦で見せ場が回ってくることを信じて、気になる布石の数々を振り返ってみたい。

  虎杖の身に起きた変化を考える上で、まず気になるのは “兄弟たち”との関係だろう。単行本25巻に収録された第220話では、虎杖が呪物「呪胎九相図」を自分の身に取り込んだことを示唆するような描写があった。

  同エピソードでは脹相の口から、「兄弟たち」が虎杖のなかで生きることになったという発言が飛び出している。そしてその前に、虎杖が両面宿儺を打倒するために「なんでも喰ってやる」と宣言していたこともあり、脹相・壊相・血塗を除く「呪胎九相図」を食したのではないかと考察されているのだ。

  なお『呪術廻戦 公式ファンブック』のQ&Aでは、「虎杖が呪胎九相図を食べるとどうなるのか」といった質問が掲載されていた。作者・芥見下々の回答によると、この仮定の結果としては、宿儺の代わりに「呪胎九相図」が虎杖の肉体に同居する状態、もしくは「呪胎九相図」の意識が消えて呪力だけが宿る状態になるはずだという。ただしこれは“宿儺が受肉する前”という条件付きの話で、すでに宿儺が宿っている場合は、「呪胎九相図」が消されるだけの結果に終わるそうだ。

 今振り返ると、このQ&Aはまるで予言のように見える。「死滅回游」の終盤で、虎杖の身に受肉していた両面宿儺が伏黒恵の肉体に移るという出来事があり、皮肉にも「呪胎九相図」の受け入れ態勢が整うことになったからだ。家入硝子によると、今の虎杖は「宿儺という呪力に浸された呪物みたいなもの」とのことだが、意識や肉体の支配権が奪われていない以上、おそらく「呪胎九相図」の取り込みには何の問題も生じないだろう。

  この布石は、最終決戦の模様を描いた第238話にもつながっている。そこで日車寛見と共に、宿儺の前に飛び出してきた虎杖の姿には、見逃せない異変が起きていた。両腕が人間のものではないような見た目になっていたのだ。これは虎杖が“兄弟たち”を吸収し、何らかの力に目覚めたことを示唆しているのではないだろうか。

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