『呪術廻戦』虎杖悠仁、今後“見せ場”はやってくる? 最終決戦で注目が集まる覚醒フラグと「播磨」の伏線
宿儺と裏梅はなぜ虎杖を見て笑ったのか。
同じく最終決戦の前には、ほかにも重要そうな布石があった。第222話で、呪術高専の教師である日下部篤也と修行に励む姿が描かれていたのだが、なぜか虎杖が教える側のような構図となっていた上、日下部に対して「そろそろ掴めよ」「虎杖」と声をかけていたのだ。仕組みは分からないが、単行本25巻のおまけページでも同様の描写があるため、肉体の“入れ替わり”が起きていたことは間違いないだろう。
最終決戦において、入れ替わりを示唆するような描写は今のところないものの、この伏線が放置されたまま物語が終わることは考えにくい。どこかのタイミングで、謎が解き明かされることになるはずだ。あるいは宿儺の意表をつく戦略として、土壇場まで温存する作戦で動いているのかもしれない。
さらに初期の頃までさかのぼると、五条悟が虎杖の修行に付き合っていた際、覚醒フラグのような発言を漏らしていたことも印象的だ。先天的に術式を使えない虎杖を見た五条は、いずれ肉体に「宿儺の術式が刻まれる」と予想していた。この伏線は一切回収されないまま、宿儺が肉体から出ていく結果となったが、今後何らかの形でストーリーに関わってくる可能性も捨てきれない。
また、虎杖は羂索によって「宿儺の器」として作られた存在のようだが、そこには多くの謎が残されている。たとえば伏黒に受肉した宿儺は、虎杖と戦闘を繰り広げた際、その正体に思い至ったようなセリフを口に。第215話では「あの播磨の」と口走り、裏梅と共に虎杖の口元が何者かに似ていることを嘲笑していた。
まだ断片的な情報しか出ていないものの、「播磨」という言葉から思い浮かぶのは、やはり同地方出身の陰陽師・蘆屋道満(あしや・どうまん)の存在ではないだろうか。道満はさまざまなフィクションで安倍晴明の好敵手とされてきた有名人物なので、呪いを題材とした『呪術廻戦』の世界に絡んできたとしてもおかしくはない。
こうした布石を踏まえると、最終決戦の途中で、虎杖の“出生の秘密”が明かされる過去編に突入する未来も考えられそうだ。また宿儺は虎杖の姿を見て、「そうか 小僧はあの時の」と何かに思い当たった様子を見せていたので、もしかすると両者の過去編は何らかの形で交錯するのかもしれない。
虎杖は宿儺との戦いにおいて、どんな覚醒を見せるのか……。一世一代の見せ場がやってくることを期待せざるを得ない。
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©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会