【漫画】世界一“第一話を読み返したくなる”マンガ？ ロマンスファンタジーの旗手『再婚承認を要求します』を試し読み
ライトノベルにおいてもマンガにおいても「異世界」系作品が人を集めるなか、キラキラした恋愛やドロドロの宮廷闘争にフォーカスした「ロマンスファンタジー」が今、大きく盛り上がっている。そのトップランナーと言えるのが、LINEマンガで独占配信されているwebtoon『再婚承認を要求します』（Alphatart, SUMPUL, HereLee）だ。
2023年12月15日現在で3億6900万view以上の大ヒットを記録している本作の主人公は、これまで何人もの皇后を輩出してきた名家・トロビー家の令嬢、ナビエ。東大帝国の皇帝・ソビエシュと政略結婚の末、“完璧な皇后”として地位を築いてきた。表向きには常に冷静沈着、毅然としていてやや冷たい人物／カタブツに見えることもあるが、実際は周囲の人々や国民のことを思いやる優しさがあり、その美しさも相まって、憧れと共感を抱ける魅力的なキャラクターだ。
とにかく、まずは第一話を読んでみてほしい。冒頭、ナビエは理不尽な離婚を突きつけられ、何の異議も唱えずに受け入れる。ホッと胸を撫で下ろしている様子のソビエシュ皇帝に対し、しかしナビエは「再婚の承認を要求します」と予想外の一言を告げるのだ。その相手がまさかのーーという、タイトル回収＆衝撃的な幕開けで、すぐにスクロールする手が止まらなくなる。
多くのファンが口を揃えるように、もしかしたら本作は世界一「第一話を読み返したくなる」マンガかもしれない。第二話以降、冒頭のシーンに至るまでのエピソードが描かれていくわけだが、リアルに胃が痛くなるほど、フラストレーションがたまる場面が多い（もちろん褒め言葉だ）。
狩り場で出会った逃亡奴隷の美少女で、天真爛漫に見えて実は計算高そうなラスタに入れ込み、ナビエを露骨に冷遇し始めるソビエシュ。ナビエは嫉妬もするし、無礼な振る舞いを続けるラスタに一見、冷たい態度をとるが、皇后として正しく行動するという一貫性によるところが大きく、私怨を超えた宮廷の作法として理解できる。しかし、ソビエシュは常にラスタばかりを気にかけ、ナビエを責め続けるのだ。
皇后として毅然と振る舞う裏で、ナビエはひとり涙を流すーーそんな理不尽に触れるたび、読者は拳を握りながら第一話に戻り、ソビエシュが狼狽えるリベンジの幕開けを見て溜飲を下げるのだ。読み進めればすぐにわかるように、再婚の相手として登場していたのは隣国の美しき王子・ハインリ。こちらも一筋縄ではいかないキャラクターだが、ふたりがどんな形でリベンジを決めるのか楽しみになり、例えるならサウナと水風呂を行き来するような感覚で、その快感にハマっていく。
繰り返しになるが、まずは第一話を読んでみていただきたい。『再婚承認を要求します』とともに、激しく感情を揺さぶられる年末年始を過ごしてみてはいかがだろう。
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