『ドラゴンボールDAIMA』孫悟空が小さいのは、強すぎるインフレ是正の策なのか? 理由を考察
今年、米ニューヨークで開催の「ニューヨーク・コミコン」会場で、アニメ『ドラゴンボールDAIMA』の制作が発表された。同作は『ドラゴンボール』40周年記念作品と銘打たれた、新作アニメとなる模様で、2024年秋ごろの公開を目指すという。
発表を受けてファンの間では非常に盛り上がっており、何しろ鳥山明が制作に関与すると言うことで、しっかりした物語になるのではないかと期待する声が高い。鳥山自身も、「いつもよりかなり気合いが入っているかもしれません!」とコメントを寄せている。
一方で、孫悟空が小さな姿になってしまっている点が『ドラゴンボールGT』に内容が似ているのではないかという指摘が、SNSで巻き起こっている。さらに、今回はベジータ、ブルマ、チチなど他のキャラクターも小さくなっているらしい。これがどのような内容を意味するのかは、現時点では情報が乏しいので、推測する以外にはない。
小さな姿にするのも、戦闘力のインフレを是正するためではないか、という意見もある。何しろ、ドラゴンボールはとにかく敵キャラが強くなりすぎてしまったのである。ヤムチャはさておき、原作の後半では初期の強いキャラクター、クリリン、ピッコロなどがもはや新しい敵にまったく太刀打ちできなくなってしまっていた。
戦闘力のインフレはサイヤ人が登場した頃から既に起こっていたが、フリーザ編でそれが顕著になり、人造人間編ではもはやサイヤ人以外がまともに敵と戦えない状況になってしまった。魔人ブウ編ではもはや、クリリンもピッコロも早々と戦闘から退場することになった。かつての強さを知る者としては、さみしさを感じたものだった。
こうした状況を改善するためには結局、強さをリセットする意外に方法がない。そういう意味で『ドラゴンボールGT』では悟空を小さくしたのかもしれないが、このやり方はあまり成功したとは言えなかった。結局、『GT』の終盤では、ますます悟空と他のキャラの戦闘力が開いてしまう結果になった。
『ドラゴンボールDAIMA』は、キャラクターの戦闘力のバランスがどのように是正される側にも注目したい。ドラゴンボールは魅力的なキャラクターが非常に多く、キャラ同士の絡みも楽しい作品なのだが、いざ戦闘となると、とにかく孫悟空以外、敵と互角に戦えなくなってしまうのである。他のキャラクターも対等に敵キャラと戦えるようになれば、ますますストーリーに深みができると思うのであるが、いかがだろうか。
そして、こうした議論で盛り上がるあたり、みんなドラゴンボールが好きなんだということがわかる。制作陣はプレッシャーも大きいと思うが、歴史に残り長く愛される名作を作り上げていただきたいと思う。
【写真】幼少期から超サイヤ人までの孫悟空の「ドラカプ」を360度回転で見る