『ブルーロック』絵心甚八はフットボールの世界を手中に収めるかーー信念を貫く“首謀者”の肖像

『ブルーロック』絵心甚八の魅力

人生を賭けた己の存在証明

 作中ではブルーロックでのサバイバルレースを勝ち抜いた選手達で編成されたチームを束ねる監督としてもその手腕を振るう絵心。個性に溢れた選手達を束ねあげる力量もさることながら、選手の限界値を引き出す様々なアプローチは時にサッカー協会のお偉いさんから非難を浴びることもあるが、そんなのどこ吹く風と己の信念を貫く姿には尊敬すら覚える。

 ここで『ブルーロック』の表紙についても少し触れておきたい。各巻で1名のキャラクターが表紙に登場するが、ほぼ全ての表紙で「鎖」が登場する。鎖が描かれる意図について詳細な言及はないものの、青い監獄に因んで連想されるイメージとしての鎖と考えられる。

 11巻の表紙では、4本の鎖に繋がれた絵心がその手に薄青く光るサッカーボールを抱いている印象的な姿が描かれている。

 青い監獄の創始者である絵心自身も、世界1のストライカーを創り上げるという壮大なミッションの前に立ちはだかる様々な障壁を打破する為にもがくチャレンジャーであることを示唆しているのでははないかと想像してしまう。

 そしてやがて絵心がフットボールの世界をその手中に収める、そんな未来まで見えてくるような気がしてならない。

 絵心甚八が見据えているビジョンが実現した時、日本サッカー界は確実にこれまで見たことのない景色を見ることができるだろう。絵心が作り出す血が沸騰するようなフットボールの新世界を、ぜひ共に体感して欲しい。

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