『葬送のフリーレン』中村悠一演じる「僧侶ザイン」はどんなキャラ? “大人”がいないパーティーの救世主になるか

『葬送のフリーレン』僧侶ザインの魅力

※本稿は『葬送のフリーレン』のネタバレを含みます。原作未読の方はご注意ください。

 大ブレイク中のアニメ『葬送のフリーレン』の第13話「同族嫌悪」が12月1日、23時より日本テレビ系で放送される。フリーレン一行が出会う僧侶ザイン(CV:中村悠一)と、その兄(CV:平川大輔)が登場する、印象的な回になりそうだ。

  『葬送のフリーレン』は「週刊少年サンデー」で連載中の人気異世界ファンタジー。勇者一行によって魔王が倒された「その後」の世界を舞台に、勇者ヒンメルらと共に活躍したエルフの魔法使い・フリーレンの旅路を描く。「マンガ大賞2021」大賞、「第25回手塚治虫文化賞」新生賞を受賞するなど高く評価されてきた。

 フリーレンの現在の“パーティー”は、若き天才魔法使い・フェルンと、ビビりだが高い能力を持つ斧使いの戦士・シュタルク。勇者は欠番として、足りないのは回復役の僧侶だ。今回出会う「ザイン」は果たして仲間になるのか、注目が集まるが、いずれにしてもこれまで登場していないタイプの個性的なキャラクターだ。

 フェルンもシュタルクも、1000年以上を生きるフリーレンと比較するまでもなく「若者」だが、ザインはすでに大人の男性だ。酒、タバコ、ギャンブルと、勇者パーティーの僧侶・ハイターに輪をかけた“ナマグサ”な僧侶で、底なし沼にハマっているところをフリーレンに助けらるというややマヌケな出会いだった。しかし、その実力は底が知れず、シュタルクがおかされた不治の毒を容易く浄化してしまうほど。幼少期から冒険者に憧れており、優秀な僧侶は引く手数多のはずだが、本人はなぜか旅立とうとしない。ある理由で、心が村にとらわれているようだ。

 一見して粗暴さもありながら、思いやりと常識を持っているザイン。フリーレンも含めて“ちゃんとした大人”がいないパーティーにとって、貴重なツッコミ役になるポテンシャルを持っており、同じく中村悠一が演じる五条悟(『呪術廻戦』)のような粋狂さはないが、頼れる大人感があって魅力的だ。もちろん、仲間になれば旅の安全性はグッと高まることになる。

 フリーレンは新しい旅のなかで勇者・ヒンメルの思いを知り、様々な意味で彼に近づいていく。フェルンはかつてのフリーレンのように冷静さと圧倒的な力を持つ魔法使いに成長しつつあり、シュタルクは師匠のアイゼンのように頑強で、“怖さ”を力に変える優秀な戦士になってきた。その意味で、パーティーメンバーの間を取り持つ大人な側面があり、酒や“年上のお姉さん”が好きという俗物的な可愛らしさもあるザインは、僧侶ハイターを思わせるところがある。

 このように、仲間として旅に同行する資質は十分のザインだが、自分を縛りつけている鎖を断ち切り、旅立つ意志を固めることはできるだろうか。第13話を楽しみに見守ろう。

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