味付けは塩のみ、白い麻婆豆腐とは? 町中華、ガチ中華の次に来る「家中華」を実食レビュー

話題の「家中華」にチャレンジ

味付けは塩のみ!淡い美味さがクセになる「白油豆腐」

 全日本食べたことがない人がいない中華料理選手権を開催したら、間違いなく上位に入るであろう麻婆豆腐。誰もが豆板醤の赤や醤油の茶色に染まった豆腐を思い浮かべるかもしれないが、本書で紹介されるのは白っぽい仕上がりの四川式「白油豆腐」だ。激辛料理でおなじみの四川料理なのに、調味料はなんと塩のみという斬新さ。塩加減はふたつまみからお好みで決められるから、味見しながら”我が家仕様”の味に仕立てていける。このざっくり感も家中華の醍醐味かもしれない。


 いざ、実食。ゆるゆると震える豆腐をレンゲですくうと、待って待って、とひき肉たちがひしめき合いながらついてくる。こうなるともうごはんにのせることしか考えられず、オンザライス一択だ。塩味の軽やかな餡が米粒ひとつひとつに優しく寄り添うように行き渡り、ついついごはんが進んでしまった。

 料理初心者やとろみ付けが苦手な方もご安心を。本レシピでは段階的に水溶き片栗粉を加える方法が丁寧に解説されているから、誰でも失敗知らずでタプタプに美味しい一皿を作れるだろう。

 中華料理は油っこくて、味が濃くて、毎日は食べられない、というイメージを持つ人も多いかもしれないが、本書のしみじみと美味しい料理はきっと日々の食卓になじむはずだ。紹介される78品のほとんどが、お母さんがあり合わせでチャチャっとこしらえるような易しいものばかり。現地の生活のにおいまで感じられるようなリアル中華にトライしてみたい人は、いち早く手に入れるべき一冊である。

■書籍情報
『手軽 あっさり 毎日食べたい あたらしい家中華』
著者:酒徒
価格:¥1,650
発売日:10月19日
出版社:マガジンハウス

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