【推しの子】最終章のキーパーソンは黒川あかね? プロファイリング能力とアクアとの関係に注目

【推しの子】鍵を握るのは黒川あかね?

※本稿は『【推しの子】』のネタバレを含みます。

 しばしの休載を挟み、ついにアイの死の真相を描いた映画「15年の嘘」の撮影が始まったマンガ『推しの子』。過去を含めさまざまな登場人物たちの想いが交錯しているが、中でも、星野アクアの“元カノ”で、彼の黒い感情に気づいている黒川あかねの動向に注目したい。というのも、コミック12巻の第百十六話では、黒川が「企みは私が止める」と宣言しており、早くも映画編のストーリー展開のカギを握りそうな空気感を醸し出しているからだ。

 本稿では、そんな黒川のこれまでの動向やアクアとの関係性をおさらいしたい。

アイを完璧にトレース!凄すぎるプロファイリング力

 復讐に燃えるアクアがあかねに興味を持った最大の理由は、アイのカリスマ性と、瞳の1番星さえも完璧にトレースしてしまったそのプロファイリング力。「プロファイリング」とは、心理学やデータ、残された状況などに基づいて、特定の人物像を分析・推測するスキルのことで、事件捜査などで犯人像を推理する際に使われている。

 「天才」と称賛されるほど高い演技力を持っていることから、劇団ララライのエース女優と呼ばれるあかねは、そのプロファイリング力によって、役の言動や癖を徹底的に研究し、役に完璧になりきってしまうことができる。

 実際、「恋愛リアリティショー編」での撮影現場に復帰するシーンでは、その分析力と洞察力でアイのカリスマ性を完璧にトレースしてアクアを驚かせ、興味を抱かせたほど。アクアから「アイの思考パターンってどれ位分かるんだ?」と尋ねられた際には、「どういう生き方をして来て、どういう男が好きかまで、だいたい分かると思うケド?」と言い切ってしまうほどであった。この能力が、今後のアクアの復讐劇にどう作用していくのか気になるところだ。

ただの真面目ないい子じゃない! リアル彼女から対立関係へ?

 アクアとの関係性の推移もかなり複雑だ。「恋愛リアリティショー編」の当初、あかねについてアクアは「真面目だが、地味で画面映えしない」と評していた。しかし、前述したプロファイリング力もあり、炎上騒ぎの収束を経て急接近。カップル成立し、2人は付き合うことになる。

 ここまでだけであれば、真面目な子が困難を経て男性主人公とカップルになる、という幸せなラブストーリーなのだが、そんな平和は続かない。「2.5次元舞台編」以降、あかねは様々な状況証拠から、アクアたちがアイの隠し子であることや、その死の真相にまでたどりついてしまうのである。

 彼女の動向に気づいたアクアとは、その後破局するが、アイの事件を描いた映画の制作が決定すると、キャストに抜擢され再会することに。しかし、「恋愛リアリティショー編」での、おとなしく清純そうだった少女の姿はない。

 「映画編」でのあかねは、表情も言動も一変、アクアの復讐を止めるため、対立も辞さない、かなりの強め女子となっていたのである。アクアとの今後の関係性と同時に、果たして復讐を阻止できるのかも見ものだ。

 もうひとつ気になる点も。「恋愛リアリティショー編」以降、売れっ子女優となったあかねの瞳には、アイやアクアたち同様、星が輝く時がある。カミキヒカルに殺害されたと見られるアイや他の女優の目にも星が輝いていたが、彼らのように何か起きる予兆なのかーー張り巡らされた伏線がどう回収されているのか、注目していきたい。

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