映画『沈黙の艦隊』は原作ファンも納得の出来? 漫画版からの変更点とその効果を考察

映画『沈黙の艦隊』は原作ファンも納得の出来? 

「やまと」を彫るシーンがカットに

 多くのファンが心待ちにした(?)海江田が潜水艦に「やまと」という文字を彫る名シーンはなし。実写版は独立国「やまと」を宣言するところで幕が閉じるため、最大の盛り上がりを終盤に持ってくるべくカットを余儀なくされたのだろうが、ここだけは残念な気持ちが拭えなかった。

 けれども希望を捨てるのはまだ早い。なぜなら映画版『沈黙の艦隊』は続編を匂わせる終わり方だったことから、次回作でこのシーンが回想として描かれる可能性があるからだ。海江田の信念が詰め込まれた貴重な描写なので、続編に期待を寄せようではないか。

原作ファンも納得の映画『沈黙の艦隊』

 原作と映画版の相違点はあれど、どれも違和感がなく自然と受け入れられるものばかりという印象だ。むしろオリジナル要素が作品の魅力をさらに引き立てているため、足し引きのバランスの良さには思わず感心してしまう。

 きっちり2時間尺で、物語を「できるところまで」おさめた点も、個人的には高評価だ。映像不可能と言われた作品を実写化した本作、原作派も食わず嫌いをせず、ぜひ劇場へ足を運んでほしい。

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