村上春樹、ノーベル文学賞受賞なるか 残雪、トマス・ピンチョン、ミシェル・ウェルベックらが有力候補に?

村上春樹、ノーベル賞受賞なるか

 10月5日、いよいよノーベル文学賞が発表される。英国のブックメーカーが発表した受賞者の予測では村上春樹が人気となっているようだ。熱心な愛好家の間では受賞を待ちわびる声が大きい。だいぶ前に、ある新聞社が作成した「村上春樹氏にノーベル賞」と書かれた号外と思われるデータが流出したことがあったが、各社すでに発表に合わせて予定稿を準備していると思われる。

 だたし中国のカフカとも称される残雪、ノルウェーのヨン・フォッセやアメリカのトマス・ピンチョン、フランスのミシェル・ウェルベックなども有力視されており、予断は許さない状況だ。

  さて、ノーベル賞は全般的に受賞者の多様化がみられ、それまでは受賞の対象とならなかった分野から受賞者が選ばれる傾向がある。文学賞で言えば2016年に受賞したボブ・ディランがそうで、ミュージシャンでは初の受賞者となった。2021年に物理学賞を受賞した眞鍋淑郎も、天気、気象の分野からの物理学賞の受賞となって話題を呼んだ。

 したがって、誰が受賞するのかはなかなか予測は難しく、想定外の人物が選ばれることがままある。2002年に島津製作所のエンジニアの田中耕一が受賞したときは、その分野の研究者も「知らなかった」という声が相次いだ。さらに、自然科学系の分野は最大で3人まで受賞できるが、文学賞は毎年1人が原則であり、なおさら予想が難しい。

  例えば、日本人の小説家であれば、ライトノベルの分野から選ばれる可能性もゼロとは言えない。日本の漫画やアニメは海外で人気だが、ライトノベルも多数翻訳され、海外で読まれている。何より日本独自の文化であり、世界で類例がないものだ。

  ちなみに、数日前にあるライトノベル作家が、ノーベル賞を受賞したという怪しい電話がかかってきたとXにポストしていた。実はこういった怪しい電話は自然科学の研究者にのもとにも少なくないという。以前にある学者から、いわゆるノーベル賞ウィークが近づくころに、「先生がノーベル賞を受賞しそうなので、10万円振り込んでください」という内容の電話を受けたことがある」と話していた。

  ノーベル賞の知らせを受けると、受賞者は一瞬呆然とし、冷静さを失うと言われる。そのため、詐欺に遭うこともないとは言えない。気を付けたいものである。そして、我々も冷静にノーベル賞の発表を見守ることにしたい。

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