『キングダム』熱かった“一騎打ち”といえば? 信vs輪虎から蒙武vs汗明まで、激戦を振り返る
中国の春秋戦国時代を舞台に、中華統一の軌跡を描いたマンガ『キングダム』。電子書籍版と合わせた累計発行部数は、集英社青年誌初となる1億冊を突破し、連載開始から17年経った今でも勢いが衰えない人気ぶりだ。
そんな『キングダム』の魅力としてあげられるのが、武将同士の武力と想いがぶつかる一騎打ち。本稿では作中から厳選した一騎打ちを3つ紹介したい。
信vs輪虎
輪虎は趙の元三大天、廉頗の四天王の一人。戦争が激化していた『完璧な時代』を生き抜き、廉頗の剣として知られる名だたる武将だ。
両者が顔を合わせたのは山陽の戦い。秦軍の千人将をターゲットとして暗殺を続けていた輪虎を、主人公の信(李信)が止めようと接敵したのが初めての邂逅だった。経験も純粋な武力も格上な輪虎に勝つため、信は玉鳳隊の隊長・王賁と共に出撃。しかし輪虎を討ち取るにはいたらず、痛み分けという形となった。
次の日、輪虎は秦軍本陣を急襲すべく、戦場を一点突破。輪虎を止めるべく信は、輪虎に飛びかかり地上戦へ持ち込む機転を効かせ、一瞬の隙をついて討ち取った。
その後、信は廉頗から輪虎の剣を授かったが、作中では未だ登場していない。その代わり、漂からもらった嬴政(始皇帝)の剣を常に携えている。双刀であるがゆえ、信が扱う武器ではないが、今後の再登場が期待される一品だろう。
信vs龐煖
龐煖は求道者として武を極め、自らを武神と呼ぶほど高い武力を持った趙の三大天の一人。信と龐煖はこれまで4度の一騎討ちを演じてきたが、ついに珠海平原の戦いで信が討ち取り、長い戦いに幕を閉じた。
信が討ち取るまでに龐煖は、大将軍であった王騎、麃公(ヒョウコウ)らのほか、飛信隊の古参の去亥、楽華隊隊長の蒙恬を支えてきた『じぃ』こと胡漸など、作中の中で存在感が強かったキャラを葬ってきた。
初めて信が龐煖と戦った際は太刀打ち出来ずにいた。しかしそれ以降、対決するたびに信は龐煖に対抗できるようになってきた様子が描かれていた。3度目の接敵となった蕞城の戦いでは、龐煖ですら退却せざるを得ないほどの深手を浴びせるまでの成長を見せた。
そして迎えた4度目の一騎打ちとなる珠海平原で信は、これまで培った生命力や、受け継いできた想い思を出し切り、龐煖に勝利。初の対決から単行本約45巻にも及ぶ雌雄が決した。最強とされていた龐煖を討ち取った信は、名実ともに中華全土の最強クラスの武勇を見せたといっても過言ではない。
この戦いをきっかけに信は将軍へと昇格。今後は将としてどれだけの成長を見せられるのか気になるところだ。