『ONE PIECE』黒幕・五老星、「実は有能じゃない」説を検証 読者を困惑させた“失策”の数々とは
※本稿は『ONE PIECE』のネタバレを含みます。
尾田栄一郎による「最終章突入」宣言を経て、いよいよ物語が佳境に差し掛かっている漫画『ONE PIECE』。作中では現在、世界政府の最高権力である五老星の存在感が強まっており、メインストーリーに絡む機会も増えている。
しかしそんな五老星をめぐり、読者のあいだでは意外な反応が巻き起こることに。あまりに失策が多すぎるため、「実は有能ではなかった」という説がまことしやかに囁かれるようになったのだ。
五老星は聖地マリージョアにある「権力の間」から、世界各地の動向を窺っている5人の老人たち。「空白の100年」や「Dの一族」といった世界の謎に深く関わっており、世界の秩序を維持するために不穏な企てを進めている。いかにも作中の黒幕ポジションという印象が強いキャラクターたちだ。
しかし読者のあいだでは、「ゴムゴムの実」の扱いをめぐる失態が話題になることが増えている。「ゴムゴムの実」はとても重要な悪魔の実らしく、世界政府は800年にわたって回収しようとしては失敗してきた。それにもかかわらず、五老星はルフィという「ゴムゴムの実」の能力者が登場しても積極的に干渉せず、長らく放置した結果、“能力の覚醒”という事態を招いてしまった……というわけだ。
そもそも「ゴムゴムの実」は、世界政府がCP9の護衛を付けた船で護送していたところを、シャンクスが盗み出したという過去がある。それをひょんなことからルフィが食べ、能力者として目覚めたが、このことを五老星はどこまで把握していたのだろうか。東の海(イーストブルー)の無名海賊だった頃ならともかく、その後もずっとルフィを放置していたことはたしかに不可解ではある。
あるいは「ゴムゴムの実」は過去何百年も覚醒していなかった悪魔の実なので、五老星も油断して事態を静観していたのかもしれない。結局彼らはカイドウ戦が始まった後になり、CP‐0に暗殺指令を出したのだが、まさにその戦いでルフィは悪魔の実の覚醒に至ってしまった。
さらにもう1つの失策は、「ゴムゴムの実」が覚醒した後の事後対応にある。この悪魔の実が実際には「ヒトヒトの実」の幻獣種モデル“ニカ”だったことを、五老星はお得意の情報統制によって隠し通そうとした。だが、第1053話ではニカの姿が写った手配書が発行され、それが世界中にばらまかれてしまう。
五老星が事前にチェックした手配書にはニカの姿が写っていなかったようなので、誰かが暗躍して写真を差し替えた可能性は高い。当然、五老星は大激怒していたが、何者かに出し抜かれたという印象は拭えないだろう。