「令和版「Fate」だ!」小説家・成田良悟も推すジャンプ新連載『鵺の陰陽師』ゼロ年代”青春伝奇モノ”好きを中心に話題沸騰
壮絶な運命を背負ったヒロインと自己犠牲に走る主人公
『鵺の陰陽師』に『Fate/stay night』の雰囲気を感じているのは、一般読者だけではなく、『Fate』シリーズの関係者たちも同作に反応しているようだ。
たとえばスピンオフ小説『Fate/strange Fake』を執筆した小説家の成田良悟は、X(旧Twitter)で頻繁に同作の感想を投稿。「鵺の陰陽師のストーリーテリングの上手さが凄い。主人公が事態の一歩先の展開を読んで決意&成長しているのが無茶苦茶良い……」などと熱く語っていた。
鵺の陰陽師。主人公の1話から続いている願いとその覚悟に対する変遷が好感度下げないまま行われていて、気付けば読者として自分が素直に夜島学郎という少年を応援している状況が心地好い。それはそれとして夜島学郎と打とうとすると『夜島が苦労』ってなる。 #鵺の陰陽師
— 成田良悟@色々執筆中 (@ryohgo_narita) August 27, 2023
また、ゲーム『Fate/Grand Order』のシナリオや、スピンアウト小説『Fate/Apocrypha』などを手掛けた東出祐一郎も、『鵺の陰陽師』について言及。「『鵺の陰陽師』を読んでいると、物凄く出来の良い伝奇ギャルゲー(R18)のとんでもなく力の入った大当たりコミカライズを読んでいるという幻覚を時々起こす」などと評しており、“伝奇ギャルゲー”の雰囲気があることを指摘している。
そんな『鵺の陰陽師』だが、藤乃代葉にまつわるエピソードを転機として、さらに人気が白熱している印象だ。藤乃代葉は『Fate/stay night』のヒロインの1人、間桐桜を髣髴とさせる部分があり、彼女に対する学郎の態度も衛宮士郎と重なる部分がある。
魔術師の家系で壮絶な運命を背負わされた間桐桜に対して、藤乃代葉も旧家の陰陽師の生まれで、重いバックグラウンドをもつ。そんなヒロインを前にして、学郎はどんな覚悟を見せ付けるのか……というのが、ストーリー上の大きなテーマとなっていた。
念のため断っておくが、『鵺の陰陽師』が『Fate/stay night』のオマージュだと指摘したいわけではない。当然この2つの作品は、あくまで別の物語であり、それぞれに独立した魅力がある。
ただ、“あの頃”のライトノベルや美少女ゲーム、そして『Fate/stay night』に魅了されたことがある人に、『鵺の陰陽師』が刺さりやすいと思われるのも確かだ。10月4日に待望のコミックス1巻が発売される予定なので、気になる人はぜひ手に取ってみてほしい。