『キングダム』の完結はまだまだ先? 長期連載の要因となる「最も長かった戦い」ランキング

1位:朱海平原の戦い(113話)

 朱海平原の戦いは520~632話と、実に2年以上に及んで描かれた。秦の軍総司令である昌平君は、黒羊丘を攻略したことで趙侵攻を加速させようとしていた。しかし、趙国の西側が李牧の策によって、当初予定していた戦略が難しくなる。すでに出陣していた総大将の王翦は大きく進路を変更し、黄河沿いに首都邯鄲を目指すことに。

 この戦いにはこれまでと違った点が多く挙げられる。退路を断たれた状態から、持ち込んだ兵糧のみという縛られた状態に合わせ、鄴・遼陽城の攻略による兵数の分割。20万人の援軍が5万人に減少する上に、右翼・左翼の大将の負傷離脱など、秦軍は常に劣勢に立たされていた。

 こちらも単純な戦闘だけでなく、全体の戦略、登場人物の回想、戦友の危機、右翼・左翼・中央の3つの戦場による場面展開が行われている。特に煖龐と信の一騎討ちでは、煖龐を討ち取った信の命の灯火が消えてしまう。仲間が悲しみにくれる中、羌瘣が羌族に受け継がれる秘術による蘇生を試みる一幕もあったため、攻略戦が長期化したと考えられる。

 キングダムもこれまでの進み具合を考えると、100巻はゆうに超えてくるだろう。キングダム作者の原泰久先生が参考文献として使用している『史記』によると、最初に滅亡する国は韓とされている。洛亜完や寧姫との戦いは何話かけて描かれるのか注目だ。

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