『鬼滅の刃』玉壺だけじゃない、『幽☆遊☆白書』『JOJO』……ジャンプ漫画の“水の使い手”たち

「水」の能力者たち

  先日完結を迎えたテレビアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』(フジテレビ系)では、敵キャラクターとして上弦の鬼・玉壺が登場。水を操る強力な血鬼術「水獄鉢」を炸裂させていた。

 能力バトル漫画では定番のような印象もある“水使い”だが、実際に「週刊少年ジャンプ」の連載作品は数多くの能力者を生み出している。本稿ではその一部を振り返ってみよう。

  まず1人目は、『幽☆遊☆白書』に登場した御手洗清志。魔界の扉編に登場した仙水ファミリーの一員で、液体状の生物を生み出し、それを自分の兵士のように操作する能力「水兵」(シーマン)の使い手だった。

 「水兵」の恐ろしさは、単純な格闘能力ではなく、体内に相手を閉じ込める戦法にある。一度閉じ込められればほとんど外に出る手段がなく、窒息を強いられるという凶悪さだ。

  余談だが、この残忍な戦法はどう見ても玉壺の「水獄鉢」によく似ている。もしかすると『鬼滅の刃』の作者・吾峠呼世晴は、意識的に『幽☆遊☆白書』をオマージュしていたのかもしれない。

  続いて、『ジョジョの奇妙な冒険』の第3部「スターダストクルセイダース」にも印象的な水使いが登場していた。DIOの信奉者である盲目の男・ンドゥールだ。

  ンドゥールの「ゲブ神」は、自在に姿形を変える液体を遠隔操作するスタンド能力。鋭利な刃物のような形になって襲いかかったり、相手の体内に侵入して窒息を狙ったりと、トリッキーな戦い方によって承太郎たちを苦しめた。

  同じく『ジョジョの奇妙な冒険』でいえば、第6部「ストーンオーシャン」に登場するフー・ファイターズも、広義の水使いと言えるだろう。

  人間のような見た目ながら、その正体はスタンド能力によって知性が宿ったプランクトンの集合体。水があれば際限なく増殖できる一方、水を失うことが致命的な弱点でもあるという設定で、ほかのキャラクターにはない存在感を放っている。

搦め手だけじゃない! パワーで蹂躙する水使いたち

  こうして見ると、どちらかといえば搦め手のような戦い方をする水使いが多い気もするが、正統派のパワータイプも負けてはいない。『BLEACH』に登場したティア・ハリベルは、“力”で圧倒するタイプの水系能力者だった。

  ハリベルは十刃(エスパーダ)のNO.3として、破面(アランカル)篇で活躍したキャラクターだ。その能力は帰刃「皇鮫后」(ティブロン)を駆使し、大量の水で全てを押し流し、破壊するものだった。

  鮫をモチーフとした刀の造形美はもちろん、スタイリッシュな戦闘シーンも魅力的。日番谷冬獅郎との戦闘時に言い放った、「氷の竜など鮫の一撃で海に沈む」というセリフにはセンスを感じざるを得ない。

  また、『NARUTO-ナルト-』の世界におけるパワー系の水使いとしては、干柿鬼鮫の名前が挙げられるだろう。鬼鮫は水遁を得意としているうえ、膨大なチャクラ量を有しているのが強み。大規模な津波を巻き起こす「水遁・大爆水衝波衝波」や、鮫を象った水の塊を飛ばす「水遁・水鮫弾の術」など、ド派手な攻撃を披露した。

  その実力は作中でもトップクラスで、マイト・ガイがいなければ攻略不可能だったという説も存在するほど。少年漫画では珍しい、作中最強格の水使いだったと言えるかもしれない。

  ほかにも、「週刊少年ジャンプ」の作品では『封神演義』の高友乾、『魔人探偵脳噛ネウロ』のDRなどが存在し、「少年ジャンプ+」では『マリッジトキシン』が潮雫という新たな水使いを生み出した。

  言うまでもなくジャンプ系列以外の漫画でも、水を操る能力者は数えきれない登場している。機会があれば、それぞれどんな個性があるのか見比べてみたいところだ。

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