『あさりちゃん』約7年ぶりの新刊発売 少女ギャグ漫画の金字塔はなぜ世代を超えて愛される?

『あさりちゃん』約7年ぶりの新刊発売

 5月26日、室山まゆみの漫画『あさりちゃん』の単行本『あさりちゃん リベンジ』が発売された。事実上の第102巻で、2016年以来、実に約7年ぶりの新刊とあって話題を呼んでいる。

 『あさりちゃん』は、1978年に『小学二年生』で連載がスタートし、足掛け36年にわたって連載が続いた低年齢向けギャグ漫画、少女漫画の金字塔。浜野あさりのまわりで起こるドタバタ劇を描き、世代を超えて読み継がれていることから大人のファンも多い。

 2014年、単行本100巻が刊行されて連載が完結したが、その後も断片的に描き下ろしが発表された。2016年7月22日には、小学5年生に進級したあさりを描いた『あさりちゃん5年2組』が刊行(事実上の101巻)。そして『あさりちゃん リベンジ』の刊行となった。今回の単行本は、これまで単行本に収録されていなかった読切作品も収録されているほか、7割が描き下ろしということもあって、ファン垂涎の一冊となっている。

 ちなみに、『あさりちゃん』は児童向けのギャグ漫画の単行本では最多の刊行数を誇る。少女漫画では魔夜峰央の『パタリロ!』が104巻を刊行しているが、それに次ぐ記録となる。『あさりちゃん5年2組』、『あさりちゃん リベンジ』を含めず、100巻完結として扱った場合でも同様だ。

 なお、「室山まゆみ」は、姉の室山真弓と妹の真里子の2人の共同ペンネームで、2014年には、『二人組による1コミックシリーズ最多発行巻数(女性作家)』として、ギネス世界記録にも認定されている。

 『あさりちゃん』が根強い人気を得ている背景には、公式Twitterの活発な更新も挙げられる。あさりちゃん自身の語り口で更新されるアカウントで、作者の室井まゆみによる描き下ろしイラストも多く掲載され、2023年5月26日現在で、5.1万フォロワーを有する。

 そして、明快で読みやすい絵柄、個性的なキャラクターはSNSとの親和性も高く、新しいグッズも発売されているので新規ファンも参入しやすいのが魅力だ。今後、さらに巻数を伸ばせるだろうか。『あさりちゃん』の今後に期待したい。

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