映画『SLAM DUNK』山王工業メンバーの声優陣に脚光 沢北役は『火ノ丸相撲』久世や『アオアシ』阿久津を演じた武内駿輔

映画『SLAM DUNK』山王の声優陣に脚光

 ロングランが続くアニメーション映画『THE FIRST SLAM DUNK』の声優トークイベント上映会「COURT SIDE in THEATER」の第二弾が5月25日、開催される。5月7日に開催された第一弾では、湘北高校のスターティングメンバーを演じた仲村宗悟(宮城リョータ役)、木村昴(桜木花道役)、神尾晋一郎(流川楓役)、笠間淳(三井寿役)、三宅健太(赤木剛憲役)が一堂に会して話題になったが、今回は「山王工業」のキャストが登場することが話題になっている。

 『THE FIRST SLAM DUNK』の声優陣といえば、テレビアニメ版からの一新と、その発表がチケット販売開始後だったことで議論を呼んだ経緯があったが、ふたを開けてみれば人間ドラマにフォーカスした本作のイメージにピタリと合い、公開後は不満の声もあまり聞かれなくなっていた。そんななかで、湘北高校と激戦を繰り広げる山王工業メンバーのキャストについてはスポットライトが当たる場面が少なく、この大ヒット作を支えた功労者として上映会に登壇するのは、ファンにとってうれしいことだ。

 湘北メンバーだけでなく、山王工業のキャストにも実力派がそろっている。例えば、映画オリジナルの“後日談”もあった高校No.1プレイヤー・沢北栄治を演じたのは、武内駿輔。25歳の若さだが、『アナと雪の女王』シリーズのオラフ役や『アイドルマスター シンデレラガールズ』のプロデューサー役など幅広い演技で知られ、スポーツ漫画原作の作品では、『ダイヤのA』シリーズの結城将司、『火ノ丸相撲』の久世草介、『アオアシ』の阿久津渚など、沢北と同じく、底知れない実力を持った強者を演じてきた。結城はともかく久世や阿久津はシリアスなキャラクターだが、苦境を楽しめる精神性を持った沢北の演技においては、モノマネ番組への出演などにも見られる本人の茶目っ気がスパイスとして利いていたように思える。

 揺れない心を持った山王のキャプテン・深津一成役は、奈良徹。感情を動かさない演技は、学生時代に剣道部で鍛えた精神の賜物だろうか。『BECK』の桜井裕志(サク)や、『ちはやふる』の西田優征(肉まんくん)など、確かな実力がありながらバランサーとして活躍するキャラクターの演技が印象的だが、『テラフォーマーズ』のアレクサンドル・アシモフのような「地味だが強い」キャラクターにもよく合い、本作でもしっかり存在感を示していた。

 さらに、長谷川芳明(松本稔役)、鶴岡聡(野辺将広役)、かぬか光明(河田雅史/河田美紀男役)、岩城泰司(一之倉聡役)、真木駿一(堂本五郎役)とバイプレイヤーが多く、決して悪目立ちせずに、宮城リョータ視点のドラマを盛り上げていた。“脇役”と呼ぶにはあまりに個性的で、高い実力を持つ選手たちを演じた彼らの思いに触れて、あらためて『THE FIRST SLAM DUNK』を見ると、また違った発見があるかもしれない。

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