『ドラゴンボール』初期の人気キャラ、ランチはなぜ消えてしまった?

『ドラゴンボール』ランチなぜ消えた?

 鳥山明の漫画『ドラゴンボール』の初期を代表するキャラと言えば、ランチである。ランチは孫悟空がいったんブルマたちと別れ、亀仙人のもとで修行を始めてから登場したヒロインだ。


 
 悟空とクリリンは亀仙人に、弟子にする条件として、ぴちぴちギャルを探してカメハウスに連れてくるように命ずる。かくして2人が連れてきたのがランチだった。そのかわいさは亀仙人が太鼓判を押すほど文句なしだったのだが、案の定、一癖も二癖もあるキャラだったのだ。

 普段はかわいいのだが、くしゃみをすると性格が一変。髪の色も金髪に変わり、凶暴になるのだ。武器を使いこなして暴れまくる。悟空や亀仙人相手でも容赦なく攻撃するほどで、相当強いのだ。だが、もう一度くしゃみをすれば元に戻る。悟空とクリリンはだいぶランチに振り回されたのであったが、ランチはカメハウスで生活を続けることになる。

 そんなランチなのだが、『ドラゴンボール』中盤、悟空が大人になってからは原作にほとんど登場しなくなってしまった。悟空がマジュニア(ピッコロ)を倒して天下一武道会で優勝、ひと時の平和が訪れて、ラディッツが地球をやってくる前にカメハウスを離れたらしい。

 その理由は5年前に天津飯を追いかけてどこかに行ってしまったため、ということである。実際、原作にも天津飯のワイルドさにランチが惚れる場面が描かれているので、片思いの関係にあったのだろう。しかし、その後の消息は謎に包まれている。なお、アニメではその後のランチの登場シーンが若干存在し、天津飯に思いを寄せる場面も描かれている。

 なぜランチが登場しなくなったのだろう。『ドラゴンボール』に強敵が登場しすぎて、当初のギャグ漫画のイメージが薄れ、シリアスな展開になってきたため、ランチのイメージが本編に合わなくなってきたためだろうか。

 また、当初は悟空を苦しめた天津飯も、戦闘力のインフレに伴い、ベジータ&ナッパ戦以降は登場する場面が激減してしまった。もし天津飯が以降も大活躍していれば、ランチと絡むストーリーも描かれていたかもしれないが、鳥山明はラブコメを苦手としており、担当編集者の鳥嶋和彦にどんなに言われても描くことを拒むほどであった。そのため、出てきても数コマ、数ページ程度にとどまっていた可能性もある。

 初期からの主要メンバーで、ランチほど登場回数が減ったキャラはなかなかいない。特に凶暴化した際の髪型などは実に鳥山明らしいデザインだし、くしゃみをすると性格が変わったり、戦うヒロインというイメージもいい。個人的にはもっとストーリーに絡んでも良かった気がするのだが…… ランチが登場しなくなった理由は謎のままである。

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