『ドラゴンボール』悟空の必殺技「元気玉」で敵を倒したのは1回だけだった、相手は一体誰?

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 鳥山明の『ドラゴンボール』を代表する技といえば、何だろうか。おそらく、アンケートをとれば最多得票数を得るのは「かめはめ波」だろう。通なファンは、ピッコロの「魔貫光殺砲」や、クリリンの「気円斬」などを挙げるかもしれない。多彩な技が登場する点も、『ドラゴンボール』の大いなる魅力といえる。

 

 そんな『ドラゴンボール』最強の必殺技を挙げるとしたら、「元気玉」ではないだろうか。アニメのオープニング曲『CHA-LA HEAD-CHA-LA』にも、「胸がパチパチするほど騒ぐ元気玉」と歌われているが、悟空がベジータらサイヤ人との決戦に向けて界王様から教わった技である。悟空が両手をあげて「オラに元気をわけてくれ!」と言い、この世に生きるあらゆる存在から少しずつ元気をわけてもらい、敵に放つ必殺技である。

 ところが、そんな元気玉だが、威力が凄い割に敵を倒せた例が少ないのだ。原作ではたった一度だけ、しかも最後の敵である魔人ブウを倒せたのみである。悟空が強敵に対して使う場面はみられた。その例がベジータであり、フリーザである。しかし、彼らには大きなダメージを与えるものの、完全に倒すまでには至らなかった。ベジータもフリーザも元気玉を食らっているのだが、死んでいないのである。

 元気玉は致命的な欠陥がある。元気を集めるまでに時間がかかるのだ。ベジータ戦でも、フリーザ戦でも、元気を集めるまでの時間を確保するのに苦戦している。その最中に攻撃を受けた例もあったし、上空に巨大な気が集まっているせいで、攻撃前に敵に気づかれてしまう問題もある。

 しかも、確実に敵に当てるためには体力も必要である。魔人ブウ戦でも悟空が元気玉を放ったところまでは良かったが、戦いで体力を消耗しており、ブウの反撃に苦戦していた。幸いにもドラゴンボールの力を使って体力を全回復してもらい、無事に当てることができた。使い手を極端に選ぶ技であることは間違いなく、実際に原作では悟空しか使うことはできなかったし、その悟空ですら決して十分に使いこなせたとは言えないのではないか。

 実は筆者は『ドラゴンボール』をリアルタイムで読んでいた世代だが、魔人ブウをようやく元気玉で倒すことができたとき、安堵した思い出がある。ブウを倒せたことで、元気玉の凄さを世に示すことができたといえるのではないか。

 ちなみに、アニメ映画では元気玉を使って強敵を何度も倒しているので、必見である。原作では不遇な技であったが、アニメ映画の描写を見る限り、文句なしで『ドラゴンボール』最強の技のひとつと断言していいだろう。

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