『ONE PIECE』シャンクスと“黒ひげ”ティーチはどっちが強い? 対照的な「2強」の戦いを考える
※本稿は『ONE PIECE』のネタバレを含みます。
国民的コミック『ONE PIECE』(尾田栄一郎)で最初期から強い存在感を持ち続け、しかしその実力の大部分が謎のベールに包まれていたシャンクスが、いま話題の中心になっている。「週刊少年ジャンプ」最新号の内容を含むため具体的なネタバレは控えるが、連載で初めてきちんと描かれた戦闘で、圧倒的な力を見せつけたのだ。このことではっきりと、シャンクスは“作中最強クラス”であることが示された。
一方で、もうひとり十分な実績と肩書きがありながら、具体的な強さについては謎の多い人物が、シャンクスと同じく「四皇」に数えられる“黒ひげ”ことマーシャル・D・ティーチだ。現在の「四皇」のなかで、主人公補正のある我らが主人公・ルフィと、基本的にハッタリで成り上がったバギーはいったん横に置くと、海賊としてはシャンクス/ティーチが2強と見られる状況だ。もし、この両名が激突したら、どちらが強いのだろうか。
前提として、ふたりは極めて対照的なキャラクターだ。シャンスクはいわば正統派の強者。悪魔の実の能力はないと見られ、人が才能と努力で得られる能力を極めてここまできた、というイメージだ。「覇気」というスキルの限界値が見えないなかで、「悪魔の実の能力がない」ことは、むしろ「海に嫌われていない」という強みにすら思えてくる。ルフィの存在は戦闘においてはトリックスター的でもあり、シャンクスの方が主人公らしくもある、という言い方もできるだろう。
一方、“黒ひげ”ティーチは、明らかにイレギュラー/異端の存在だ。まずもって“ヤミヤミの実”と“グラグラの実”という強力な二つの実の能力を持っていることが明かされており、標準的な人間の体型と言えるシャンクスに対し、身長344cmという巨躯を誇る。「海賊」という言葉をそのままキャラクターにしたような豪快なイメージは、「もうひとりの主人公」とも捉え得るものだ。
「強さ」や「信念」の方向性が近しければ戦いの予想もしやすいが、それがまったく違うふたりの激突がどんな結果になるかを想像するのは極めて難しい。ただひとつ言えるのは、シャンクスの「仲間思い」の側面がウィークポイントになり得るのではないか、ということだ。決して強くない海賊たちを傘下に入れて、庇護しながら海を往くシャンクスは、意外と慎重で狡猾なティーチと相性がよくないように思える。「実力は互角だが、手段を選ばず勝ちに行くティーチに軍配が上がる」という結末は想像しやすい。
その他、世界最強の剣士である鷹の目のミホークや海軍の大将クラスなど、戦えばどうなるかわからない強者はまだまだ存在し、夢のマッチメイクを想像して楽しめるのも、『ONE PIECE』ならではだろう。「週刊少年ジャンプ」での連載が最終章を迎え、今後、多くの決戦が見られるに違いない。そのなかで、ルフィが、シャンクスが、ティーチが、どう戦い、どう勝利してどう敗れていくのか、注目したいところだ。