お天気キャスター・駒木結衣、初フォトエッセイ「不安」と「挑戦」で揺れた日々「四季を楽しむ感覚をみなさんと共有したかった」

駒木結衣「不安」と「挑戦」で揺れた日々

——特に印象に残っている撮影は? 

駒木 やっぱり、体育館での剣道シーンですね。中高時代、剣道部に所属していたんですよ。竹刀を振るのも、剣道着や袴を着るのも、学生のとき以来で約10年ぶり。スゴく懐かしかったです。爽やかなカットが使われていますが、何十回も竹刀を振って、かなり汗だくになったんですよ。しかもカメラマンの藤本さんも学生時代に剣道をやられていたそうで。想像以上に熱の入った撮影になりました(笑)。 

——それは面白い偶然ですね! 部活時代の血が騒ぎそうです(笑)。 

駒木 それから、人生で初めての魚釣りに挑戦させていただいたのも印象的でした。『ウェザーニュースLiVE』では、「ウェザーリポート」として全国の視聴者さんから写真や動画でその日の天気をご報告いただくのですが、釣り堀に行かれている方や、船で釣りに出られている方からリポートをいただくことが結構多くて。「私もいつか釣りをしてみたいな」って、密かに思っていたんです。釣った魚は塩焼きにしていただきました。美味しかったです! 

自分らしくいられるように

——本作のタイトル「空を結ぶ」に込めた思いを教えてください。 

駒木 「天気を伝えるお仕事をしているので、空にまつわるタイトルが良いな」と、エッセイを書く際に協力してくださったライターさんと一緒に考えました。その中で“結ぶ”としたのには、ふたつ理由があって。 

 まずひとつは、番組内でいただく「ウェザーリポート」。各地方から空の写真が送られてくるたびに、「遠く離れた地域に暮らしている方ともひとつの空で繋がっているんだなぁ」と、ほっこりする瞬間があって。この感覚を表現するのに、いちばんしっくり来たのが“結ぶ”だったんですよね。 

 もうひとつは名前が“結衣”なので、もともと“結ぶ”という漢字には特別な思い入れがあったんです。言葉の響きも良いし、とても私らしいタイトルになったんじゃないかなと思います。 

——まさしく本作は、駒木さんの過去と今を、そして駒木さんと視聴者のみなさんを“結ぶ”一冊になっていますもんね。今回、改めてご自身のことを振り返られた中で、子どもの頃から変わらない部分はどんなところだと感じますか? 

駒木 好奇心旺盛なところですかね。子どもの頃から興味の幅が広くて、スポーツから文化的なことまで、やりたいことがたくさんあったんです。その感じは今も変わらないかな。「あ、こういうの面白そう! やってみたい!」って、大人になった今でもよく思うので(笑)。 

——では、逆に変わったなと思う部分は? 

駒木 うーん、素直な気持ちを言葉にできるようになってきたところ、ですかね。学生の頃は、自分をよく見せようと必死だったのか、人に本音を打ち明けるのが苦手だったんです。デビュー後も1〜2年ほど、自分の本心を分厚い殻で守っていたような気がします。 

——先ほども「自分のことを話すのが得意な方ではない」と仰っていましたよね。何か変わるきっかけがあったんですか? 

駒木 視聴者さんから「結衣ちゃんは真面目だね」と言っていただくたびに、「そんなに真面目じゃないのにな」って、自分が思う“駒木結衣”とみなさんが思う“駒木結衣”の間に大きなギャップがあることに気付かされたんです。真面目に取り組むのは悪いことじゃないけど、そのギャップを埋めていかないと、視聴者さんに近寄りがたい印象を与えてしまうかもしれない……。そうして少しずつ、もっと素の自分を知ってもらいたいと思うようになりました。 

——駒木さんみたいな悩みを抱えていらっしゃる方は多いんじゃないかと思います。真面目な性格ゆえに、本来の自分を曝(さら)け出せずにいる方とか。いきなり素を出そうにも、受け入れてもらえるか心配ですからね。 

駒木 そうなんですよね。私も、ずっと素の自分をみなさんに受け入れてもらう自信がなかったんだと思います。でも『ウェザーニュースLiVE』の視聴者さんって、本当に優しい方が多いんですよ。ミスをしても「ええんやで〜」と、あたたかく受け入れてくださるんです。その優しさに甘えてばかりではいけないと思いつつも、もう少しリラックスして収録に臨んでもいいのかなって。みなさんのおかげで、自分を開放する勇気が持てるようになってきました。 

——その勇気が本作の執筆に繋がったと思うと、また一段と言葉が響いてきますね。 

駒木 デビュー当時のまま勇気を持てなかったら、今回のお話もお断りしていた可能性もありますからね。正直、素を出しすぎていないかな? 大丈夫かな? って心配は今もあるんですけど(笑)。まぁ、それはそれでいいかと思える自分がいるのも確かです。 

 今回たくさんエッセイを書かせていただいて気がついたのは、ネガティブな感情は、頑張りたい気持ちの表れだってこと。もし今、悩んでいることがあるのなら、それは頑張っている最中だって証でもあるんですよね。その苦しみは、きっと未来の自分を支えてくれる糧になる。本作を通して、またひとつ、自分の殻を破ることができた気がします。 

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