「猫の日」赤塚不二夫、鴻池剛、桜井海……かわいさ溢れる! 猫好き漫画家の作品厳選紹介

 
 2月22日といえば、ご存知“猫の日”である。TwitterなどのSNS上には多くの人が猫の写真をUPする日で、それを楽しみにしている人も多いのではないだろうか。

 猫はこれまでに数々の名画に描かれてきた存在でもある。近代の日本画では、菱田春草の「黒き猫」や竹内栖鳳の「班猫」がともに重要文化財に指定されている。浮世絵師の歌川国芳や20世紀を代表する画家の藤田嗣治はたびたび猫を描いた。海外でも、ピカソやダリも熱心な愛猫家として知られる。猫はクリエイターの創作意欲を刺激する存在でもあるようだ。

 そして、漫画界でもやはり猫を愛する漫画家は多い。漫画界でもっとも有名な猫といえば、赤塚不二夫の愛猫、菊千代だろう。赤塚と一緒にバンザイをしながら寝転んでいる写真はよく知られ、テレビCMにも出演し、専用の預金口座まで作っていたという。菊千代をモデルにした『花の菊千代』という漫画も描いている。

 昨今の猫ブームを象徴するかのように、猫漫画も数多く制作されている。鴻池剛による『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!』は猫好きから大きな共感を集め、エッセイ漫画としても、猫漫画としても記録的なヒットとなっている。ペットショップで売れ残っていた猫と男性の交流を描いた桜井海の『おじさまと猫』は、パペットを使ったテレビドラマでも話題になった。少女漫画雑誌「ちゃお」では、環方このみの『ねこ、はじめました』が2015年から長期連載中で、2020年には小学館漫画賞も受賞している。

 また、少年画報社はまるまる一冊猫漫画の雑誌「ねこぱんち」を出版しているほどである。青年漫画から少女漫画まで、今や猫漫画の影響はあらゆるジャンルに及び、愛読されている。

 漫画家は愛猫の写真をTwitterに数多くアップしている。NHKの「美の壺」でも紹介されたヤマザキマリをはじめ、種村有菜、松本ひで吉、カメントツ、安堂まい、洋介犬などあらゆるジャンルの漫画家が愛猫家である。漫画作品もあるマルチタレントの中川翔子も無類の猫好きで、自身のプロデュースするブランドでも猫をあしらったファッションアイテムをたびたびリリースしている。

 他にも、猫の島として知られる宮城県石巻市の田代島には、ちばてつや、里中満智子ら巨匠がデザインした猫型のロッジが建てられている。漫画家と猫の縁は何かと深いのだ。

 なぜ、猫を愛する漫画家は多いのだろうか? もともと猫好きだった人も多いと思われるが、猫と漫画家の相性の良さを指摘する人がいた。自身も猫を飼育している漫画家がこう話す。

  「猫は室内での飼育が推奨されていますし、職業上どうしてもインドアになりがちな漫画家と相性が良いんだと思いますよ。それに、休憩中に遊んだりすると気分転換になるし、もふっとした毛並みは撫でているだけで癒される。たまに液タブの上に乗ってきたりして仕事の邪魔をすることもあるけれど、それも愛嬌ですよね(笑)」

 別の漫画家はこう話す。

 「猫のフォルムが純粋に美しい」「目、鼻、耳などのバランスが完璧」「猫の身体の模様はバリエーションがいろいろあって神秘的」

 芸術的な視点からも、猫が魅力的であることがわかる。

 猫を愛する理由は人によって様々だが、とにかく猫がかわいい存在であるのは間違いない。猫は平和の象徴であると話す人もいる。2月22日はぜひ、猫の写真に癒されてみてはいかがだろう。

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