江戸時代の旅人が描いた200年前の日本 112点・オールカラーで楽しめる『菅江真澄 図絵の旅』が面白い

200年前の日本を描いた貴重な図絵

 菅江真澄(すがえますみ/1754-1829)は、江戸時代後期を生きた旅人。故郷の三河で国学と本草学を学んだのち、東北地方北部や北海道南部をくまなく歩き、それぞれの土地の記録を日記や地誌、和歌や図絵に残した。 

 1月24日(火)に刊行される、菅江真澄 著、石井正己 編・解説『菅江真澄 図絵の旅』(角川ソフィア文庫)では、菅江の残した貴重な自筆図絵にフォーカスをあて、112点を収録している。本書中、すべての図版に付された詳細な解説によって、森羅万象に向けられた菅江の眼差しを通じ、200年前の日本各地における旅と暮らしを追体験することができる。

 北海道へ渡った菅江は、アイヌ民族の暮らしに触れ、漁や住まい、人々の様子を活写している。その関心は、発掘された縄文土器にも向けられた。秋田のなまはげ、諏訪大社の神事など、現在も守り伝えられている信仰や風習が、江戸時代にどのようであったかがわかる貴重な図絵ばかり。疫病を追い出すためのまじない、避疫神の姿も。

 精緻でありながらどこか愛らしい情景は、菅江ならでは。菅江をはじめて知る人でも眺めて楽しめる、オールカラーの文庫版だ。

書籍概要

書名:菅江真澄 図絵の旅
著者:菅江真澄
編・解説:石井正己
発売日:2023年01月24日
判型:文庫判
ページ数:352
ISBN:9784044006792
発行:株式会社KADOKAWA
レーベル:角川ソフィア文庫
定価:1,650円(1,500円+税)

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