日本巡洋艦、戦国大名徳川氏の勃興、戦後日本戦車発達史……歴史ファン必読の3大特集「歴史群像」に注目
人類の歴史は戦いの歴史でもある。そんな戦いに関するものを中心に、古今東西のさまざまな人物・事象をテーマとした20本以上の記事を掲載しているのが「歴史群像」(ワン・パブリッシング刊)。1月6日発売の2月号では、特集として太平洋戦争時の日本巡洋艦、戦国大名徳川氏の勃興、戦後日本戦車発達史の3本の記事を収録している。今年の大河ドラマ『どうする家康』を見るうえで必読の記事もあり、いずれも読み応え満点だ。
戦艦や空母に比べて巡洋艦はいまひとつ理解しにくい艦種。その理由として、まず、役割が多様な点があげられる。潜水艦部隊や駆逐艦部隊の旗艦を務めたり、航空機を多数搭載して艦隊の目となって敵主力艦を探したり、さまざまな任務・役割を求められ、それに合わせて多様化した。さらに軍縮条約による主砲口径などの制限により複雑化した。
こうした巡洋艦の世界にあって、太平洋戦争時の日本巡洋艦は、重巡洋艦は世界レベルから見ても優秀な艦が揃っていた。一方で軽巡洋艦は、古い艦が多いこともあり、旧式で見劣りするタイプが多く存在していた。
太平洋戦争時の日本海軍の巡洋艦戦力はなぜこうした特徴を持つようになったのだろうか。その経緯をたどるのが第一特集「太平洋戦争時の日本巡洋艦」。この記事を読めば、日本海軍の巡洋艦戦力がどのような背景・理由で生み出され、こうしたラインアップになったのかが理解できる。
そして今年の大河ドラマ『どうする家康』。その主人公、徳川家康は、どうやって三河一国を支配下に収め、徳川を名乗り、戦国大名になることができたのか。またその先祖たち、つまり松平氏はいかにして三河の国衆から、家康が飛躍できるだけの勢力基盤を作り上げたのか。第二特集「戦国大名・徳川氏の勃興~松平一族の台頭と家康の三河平定戦」では、この点について最新の説を踏まえて紹介する。大河ドラマを見るうえで必読の記事といえるだろう。
また第三特集「戦後日本戦車発達史~わが国の主力戦車開発は何を目指してきたのか?」は、太平洋戦争後、当初は米軍から供与された戦車を使っていた陸上自衛隊のための国産戦車開発がどのように行われたのかを紹介。初の国産戦車61式の開発経緯を中心に、その後の74式、90式、10式へと続く開発の流れをたどる。
この他にも、ここまでのウクライナ戦争におけるロシア軍の弱さとウクライナ軍の強さの秘密に迫る、連載「縦横無尽!世界戦史」の「ウクライナ戦争を読む」、家康の三河平定戦において西三河と東三河を結ぶルートを扼した要衝の実像に迫る「三河・岩略寺城」、陸上自衛隊の戦車部隊で迷彩の研究を行った当事者が当時の貴重な写真とともに回想する「61戦車 迷彩試作記」ほか、充実の内容となっている。改めて歴史をより深く味わってみよう。
商品概要
「歴史群像」2月号
定価: 1,080円 (税込)
発売日: 2023/1/6(金)
判型: B5
ISBN: 4910191310238
電子版: 有