【漫画】サンタクロースの遺書には何が書かれていた? クリスマスに向けて感動広げるSNS漫画が話題

「世界観を見守ってほしい」

――『サンタクロースの遺書』制作の経緯を教えてください。

コルクガシ:クリスマス関連の映画を見る度に、「サンタクロースは亡くなったらその後どうなるのだろう?」「永遠に生き続けるのかな?」とよく疑問に思っていたので本作を描きました。あと私自身が「サンタクロースになりたい」という思いも影響しています。

――「ロウソクの火=サンタの命」という設定は最初に思いついたのですか?

コルクガシ:ヤドリギとポインセチアは結構前から作り上げていたキャラクターですので、設定はほぼほぼ後付けです。ヤドリギとポインセチアの結びつけるものが欲しくて、「人の命を思わせるような、少しずつ熱で溶けるロウソクをサンタの命という設定にしよう」と思いました。

――あまり世界観の説明をせず、会話の中で徐々に明らかになっていきました。

コルクガシ:世界観の説明は苦手なんですよね。また、先に設定を説明するのではなく、あくまでも自然に登場人物だけの空間から伝わってほしい、という狙いもあります。読者さんには「その空気感や会話を見守ってもらえたらな」と思って描いていました。

――終盤に出てくるおじいさんの手紙は言葉選びが難しそうでしたね。

コルクガシ:「おじいさんならヤドリギにどんな言葉をかけるだろう」とゆっくり大切に考えました。ヤドリギもおじいさんも、お互いが大切なのに心が不器用で、ろくに話し合いもできていないと思います。そんなおじいさんが勇気を出して描いた手紙なので、「ちょっと慣れていないような、でもヤドリギが大切だと十分伝わったらいいな」と思いながら書きました。

重たい空気感の作り方

――冒頭はシリアスで、少々重い雰囲気に包まれた世界観でした。本作の空気感を描くうえで意識したことはありますか?

コルクガシ:1番初めに“死”という字を出して初っ端からグッと重たい空気にしました。また、街の人達の少々辛辣なセリフと暗い表情の主人公。それとは対照的なポインセチアの存在がパッと柔らかくしてくれました。重すぎないちょっと不思議な感覚になってもらえたら嬉しいです。

――登場人物の表情が活き活きとしていましたね。

コルクガシ:ヤドリギの表情の変化は配慮しました。ポインセチアと出会ってから、彼は最初に比べてずっと人らしく色んな表情ができるようになり、その成長も感じてもらえれば。また、ルドルフは一見怖いトナカイですがとっても優しい子なので、それを表情で出せるように工夫しました。

――今後はどのように制作活動を展開していきますか?

コルクガシ:本格的に漫画家として活動をしていきたいです。ただ、漫画家になると編集者さんの意見を聞く必要があるため、個人的な趣味としての自分だけの漫画も描いて活動したいと思っています。

 仕事で漫画を描いて、趣味でも漫画を描くという夢を目指して制作しており、私の作品を見つけて声をかけてくれた担当さん、いつも応援してくれるTwitterのフォロワーさんには本当に感謝しています。

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