Mika Pikazo 人気イラストレーターが創る世界を吉上亮、三雲岳斗が小説化「10代の多感な時期のことを作品に込めている」
―――Mika Pikazoさんと言えば、多彩な色を使ってきらびやかな絵を描く方として知られています。聞けばイラストレーターを始める前にブラジルに滞在していた時期があったとか。そこでの経験が絵柄に影響していることはあるのですか。
日系ブラジル人が親戚にいて「良かったら来ないか」と言われたこともあり、滞在することにしました。昔はブラジルでの経験が作風に影響していないと思っていたんです。でも今までは影響を受けているように思います。日本に戻って9年近く経つんですが、ブラジルで見た色の気持ちよさを頭の中で覚えているんですよね。あの時に見た茶色とかオレンジとかいった色が光っていたのを思い出すんです。
―――イラストレーターを目指したのはブラジルに行く前ですか。
中学生の時にゲームの『サモンナイト』をジャケ買いしてしまったんです。その絵が綺麗だなあと思ったのがイラストレーターを目指すきかっけです。こんな風に絵を使って表現するイラストレーターになりたいと思ったんですが、まだ下手だったので、ネットにアップしても今のように大勢の人に見られることはありませんでした。
―――原色を多用してパーツも複雑なのに、ガチャガチャとしないですっと目に入ってくる色使いと構成の絶妙さに驚かされます。
自分で描いていて目が痛いなと思ったら、それは違和感なんだと思うようにしています。自分が見てこれは何かヘンだ、ここまでなら行けるといった判断をしていますが、基本的にはカラフルな色が好きです。淡い感じの色があると派手にしちゃおうと思うこともあるんですが、敢えて抑えた色の絵を描いてみたいと思うことが最近はよくあります。最近描いているのは、西洋絵画的なものより現代アート的なものです。アンディ・ウォーホルのような絵画的というよりは、デザイン的に作られているものが好きですね。
―――目の中に幾つもの色や形が使われているのも特徴です。
目の表現も最近はだんだんと抑えるようにしています。元々はもっとガビガビに色を使っていたんですが、あまり出し過ぎるとキャラクター自身に目が行かなくなるのではと思うようになりました。あまりやりすぎてしまうと人間的ではなくなり、感情がなくなるのではと考えました。だからイラストでも目として認識できるような色使いにしています。
―――Mika Pikazoさんが描かれるキャラクターは衣装もデザイン性が高いものばかりです。ファッションへの関心もお持ちなんですか?
日常的に着る服とは違ったコレクション系のファッションが好きなんです。イラストでいうと参考になっているのがアレクサンダー・マックイーンとかヴィヴィアン・ウエストウッドですね。あとディーゼルとかグッチ、亡くなってしまったヴァージル・アブローもカッコ良いなと思いました。
―――ファッションのデザインも手掛けてみたいですか。
いつかやってみたいです。やるとしたら日常的に着る服よりもコレクション系のショーのための服ですね。アンディ・ウォーホル的な要素とキュビズム的な部分をキャラクターに落とし込むのが難しいものを取り入れられたらと思っています。
―――最近はアニメーションも手掛けられていますね。
アニメーションはチームワークでやっていくので、イラストと違ってベクトルが発生していて面白いです。イラストは1枚の絵で表現しますが、アニメーションの場合はこんなに枚数を描かなくてはいけないんだと気づかされます。
―――『レベルロボチカ』のアニメ化もあるのでは?
『レベルロボチカ』のキャラクターが動いてくれたら嬉しいですね。吉上さんや三雲さんに、アサトの人気がとても高いんです。吉上さんの中にいろいろなサイドストーリーのアイデアがあるようですから、スピンオフなどで続いてくれたら嬉しいです。
―――これから『レベルロボチカ』の小説を読む人にメッセージをお願いします。
自分が10代や20代の時に感じた思いを作品に込めていますので、10代や20代の方に特に読んでいただけたら嬉しいです。作品を読むとそれぞれ違う感じ方があると思いますので、色々な人の声が聞けたら嬉しいです。楽しんでください。
――イラストレーター、キャラクターデザイナーのMika Pikazoとしての抱負も是非。
新しいことに挑戦したいです。その経験がイラストに影響し合えたら良いなと思ってます。自分が描いているキャラクターに挑戦したことが入って来て、そうやって積み上げたものがさらに新しい挑戦をする時に力になる。そんなことができたら楽しいですね。
―――ありがとうございました。
小説は以下よりお買い求めください:
『RE:BEL ROBOTICA -レベルロボチカ-』
『RE:BEL ROBOTICA 0 -レベルロボチカ0-』
©Gakuto Mikumo 2022
©Mika Pikazo/ARCH
©Ryo Yoshigami 2022
©Mika Pikazo/ARCH
※AAO Projectとは、株式会社AOI Pro.、株式会社アミューズ、オリガミクスパートナーズ株式会社の3社がクリエイターとともに、多様なジャンルに向けオリジナルIPを開発・プロデュースするプロジェクト