「艦これ」草田草太さんが遺した功績と魅力 キャラクターイラストやラノベまで

「艦これ」草田草太さんが遺した功績と魅力 

 10月5日逝去した人気イラストレーターの草田草太の代表作と言えるのが、『艦隊これくしょん』(艦これ)のキャラクターイラストだった。

 『艦隊これくしょん』とは、2013年にDMM.comと角川ゲームスが共同開発したソーシャルゲーム。 プレイヤーが「提督」となり、第二次世界大戦期に活躍した諸国の海軍の艦艇などを擬人化した 「艦娘(かんむす)」 を収集しながら育成をしていく人気ゲームである。

 「艦娘」を描くイラストレーターは、赤坂ゆづ、アキラ、UGUME、コニシ、しずまよしのり、しばふ、パセリ、くーろくろ、玖条イチソ 、じじ、島田フミカネなど数多くおり、その中で、草田草太は、草太名義で「艦娘」を描いていた。

  「艦これ」は多くのファンを虜にし、関連書籍やグッズなども数多く販売され、その中で草田の人気や知名度も増していき、草田が描いた艦娘が集合するイラストは、「草太艦隊」とグループタグがつけられるほであった。

 草田の同人誌を購入しており、「艦これ」のゲームもやり込んでいたファンが、その魅力を語ってくれた。

 「草田先生は、主要なキャラクターである、睦月、如月、弥生、卯月、水無月、Perthなどのイラストを担当していました。キャラクターの描き分けだけでなく、それぞれのキャラの内面も表現した作風が魅力でした。今回の死去は、多くの艦これファンが驚き、そして悲しまれたと思います」

 草田の活躍としては、他にも、ライトノベル『異世界で学ぶ人材業界』のイラストのほか、『温泉むすめ』の犬鳴山命のデザインや、VTuberの水瓶ミアや酒泉りりのデザインを手掛けた。艦これをきっかけに草田のイラストを知ったファンが、温泉むすめの聖地を巡礼するケースも少なくなかったという。また、同人作家としても活動し、コミックマーケットをはじめとする同人誌即売会にも参加。数多くの同人誌を制作していた。

 草田は仕事に対して真摯に向き合い、そして最後まで妥協せずに仕上げる、職人肌のようなイラストレーターだったのではないかとファンは分析する。

「草田先生の旦那さんが記したツイートによれば、スケジュール帳を確認したところ、この先の予定もすべてそのまま残っており、直近の約束のキャンセルもなかったことを確認しているそうです。そして、草田先生が10月4日に残した最後のツイートには『魅力的な絵を描けるようになりたい 色々チャレンジしたい』と綴られていたといいます。真面目な人柄がよくわかります」

 草田は、思ったように絵が描けないことなど、様々なことに苦しみながらも、新たなチャレンジに向けて努力をしていた最中だった。草田の仕事用のパソコンの最後の画面は、描きかけのイラストのラフだったとされる。突然の訃報に、Twitter上では多くのファンから悲しみが寄せられているが、それほど草田が生み出したキャラクターが魅力あふれるものだった証しと言っていい。

 近著では、草田がデザインしたVtuber「水瓶ミア」「酒泉りり」、「くさちゃん」の3人を収めた通称「草田家」のイラスト本『Tricolor Carnival!』と『オレ達の考える「最強」なおにぎりの本』がメロンブックスにて販売されていた(2022年10月23日現在メロンブックスのwebサイト上ではどちらも在庫なし)。


 「草田先生は様々な活躍をみせ、ゲームからラノベ、VTuberまで、様々なコンテンツを網羅する仕事をしたイラストレーターでした。今回の死去は本当に悲しいですが、ファンの間には先生の生み出したキャラクターがずっと生き続けていると思います。私も同人誌を何冊も持っていますが、これからもずっと大切に読み継いでいきたいと思っています」

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる