『女の園の星』話題のアニメ化エピソードとは? 豪華キャストが活きる内容に注目

 連載開始直後から注目を集めてきた『女の園の星』のアニメ化が満を持して発表された。星先生を星野源氏、小林先生を宮野真守氏が演じることも決定しており、豪華なキャスト陣からも作品に対する注目度の高さが伺える。

 今回は2022年12月に発売されるコミックス第3巻特装版の特典としてアニメが収録され、映像化するエピソードはコミックス1巻の「1時間目(第1話)」と「4時間目」であることが発表されている(参考:https://www.shodensha.co.jp/onnanosono_special/)。これらはどのようなエピソードであるのか。アニメとしてどのように表現されるのかといった期待も含め該当するエピソードを振り返りたい。

本作の醍醐味が濃縮された「1時間目」

 「1時間目」は女子生徒たちが学級日誌の備考欄で繰り広げる絵しりとりを題材とした話であり、とある女子生徒の描いた人間のようなイラストの答えを探るため星先生が奮闘する様子が描かれる。本作のコミックス第1巻の最初に収録されるエピソードであり、星先生のキャラクターや生徒との距離感、作品の舞台となる女子校の雰囲気をつかむことができる回であろう。

 このエピソードでは教室で過ごす女子生徒たち、そして職員室で過ごす星先生と小林先生といったふたつの場面が交互に描かれる。上履きや靴下が脱げそうになりながら机に突っ伏し眠る生徒の姿や、生徒たちが互いをあだ名で呼び合う様子。星先生と小林先生の何気ない、少し可笑しな会話などーー。女子生徒が過ごす日常のデティールや星先生と小林先生の関係といった、本作の醍醐味が詰まった1話であると感じる。

 ただ本作では派手なアクションシーンが描かれることが少なく、「1時間目」においても星先生が頭の中で「絵しりとり」の答えを求め思考する場面が多くを占めるエピソードとなっている。画がガラッと変化することが少ないなかで星野氏や宮野氏たちの演技や挿入されるBGMといったアニメ特有の演出によって、本作の大きな魅力であるローテンションな登場人物たちによる独特のテンポによって生まれる、思わずフフッと笑みがこぼれてしまう面白さがどのように表現されるのかといった点にも注目したい。

 その点において星先生を演じる星野氏は適任といえるのではないだろうか。星野氏は少年時代からラジオ番組をリスナーとして楽しんできた人物であり、現在は『星野源のオールナイトニッポン』のパーソナリティを務めている。トークだけで表現されるラジオ番組のリスナーやパーソナリティとして培ったセンスや経験値は、登場人物たちの会話や考え事によって物語が展開する本作の演技に大きな影響を与えるはずだ。

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