【漫画】闇を抱える女性と惹かれあう関係になれたのは? 創作漫画『絆の食卓』が描く食事で最も大切なこと

犬皿で食べるシーンを思いつく

――なぜ『絆の食卓』を制作しようと思ったのですか?

米戸卵田(以下、米戸):賞に応募するために制作しました。その上で、「ご飯をメインにした漫画を描きたい」という気持ちがあり、「犬と一緒にご飯を食べると楽しいから、犬皿で食べるシーンなんて良いかも」と思いつき、そこから広げていきました。

――各登場人物にモデルはいたのですか?

米戸:ひとみですが、当時は心理学関係の本を何冊か読んでいて、「漫画に使えそう」と思って残しておいたメモを参考に作り上げました。絆に関しては、他の登場人物のアクが強かったため素直な性格になっています。大家の孤島は、知り合いで良くしていただいている方を参考にしました。

――餅つき大会をキッカケに2人の距離が一気に縮まって、その後の2人の掛け合いがもっと見たい、と思いました。

米戸:もともとはダイジェストが多く、具体的なエピソードがあまりありませんでした。ただ、担当編集さんから「ダイジェストを削って具体的なエピソードを入れましょう」とアドバイスいただいて、餅つき大会のシーンを追加したんです。ページ数が許せば、ひとみが生活習慣を改善していくエピソードや、ひとみの趣味の映画を一緒に見るシーンなどを追加したかったですね。

――ちなみに“桜が満開の公園で餅つき大会をやっている”というシチュエーションは個人的には珍しく感じましたが、素敵なシーンになりましたね。

米戸:桜と餅つきを結びつけることには自分も正直迷いました。ただ、体を動かす、お腹が空く、食べる、美味しい、幸せな気持ちになる、と体験できるシーンをどうしても描きたく、それらを満たすには餅つきがベストであると考えました。不自然に感じてしまう部分もあるかもしれませんが、どうしても入れたくて。一応ネット検索したところ、春ごろに開催される餅つき大会のポスターを発見したため、「やりたいこと優先!」とうことで入れました(笑)。

「照りがあると美味しそう」

――孤島は絆ならひとみと向き合えると考えて、絆に家政夫の仕事を紹介したように感じましたが、米戸さんはどういう思いで描いていましたか?

米戸:孤島は気に入った人間には面倒見が良く、ひとみのことも絆のことも気に入っています。ある程度、ひとみの成長を期待はしていると思いますが、「別に失敗しても絆にお金が入るから良いだろう」という考えです。ただ、そのようにキャラの心境を考えてもらえるのは、「愛着を持っていただけているから」と考えています。キャラの心境に思いを巡らせてもらえることは、作者としてはそれだけで幸せですね。

――魚の煮物やハンバーグなど、どれも美味しそうに描かれていました。料理を描く際に意識している点などありますか?

米戸:照りがあると美味しそうに見えるので、そこは意識しています。あとは普段から料理の写真を撮ってクラウドに入れており、参考資料として多く保管していることも大きいかもしれません。自分は食べることが好きなので、その“好き”を信じて、自分が美味しく見えるご飯になるように心がけています。

――最後に米戸さんの今後の目標など教えてください。

米戸:現在は賞に投稿するため、担当編集さんに見ていただきながら新しい作品を作っています制作しています。並行しながらtwitterに漫画を投稿しながらスキルを磨いている状況であり、デビューを目指していろいろ頑張っています。ぜひ本作をキッカケに注目してもらえると嬉しいです!

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