【漫画】ある日、見ず知らずの少女が家にいたら……Twitter漫画『2階立てアパートベランダ無しワンルーム目張り済み』が話題

ーー『2階立てアパートベランダ無しワンルーム目張り済み』を創作したきっかけをおしえてください。

としきち:私はもともと、一次創作漫画を持ち寄り同人誌を作成するサークルのようなものに所属していました。本作はそこで発行する「この人知りませんか?」というフレーズをテーマにした、同人誌に寄稿するために描いた作品です。

ーー作中では暗に描写されている主人公のキャラ像ですが、としきちさんの中ではどのような設定を考えていましたか?

としきち:志半ばで折れてしまい、人生を諦め全てを清算するため身辺整理をしている最中の青年のつもりで描いていました。ところどころで登場する彼の回想や、タイトルでそれを表現しています。結構前に描いた話でわかりにくい箇所も多かったので、今だったら目張り済みの部屋も七輪も整頓された部屋も、もう少しわかりやすく描けたなと思いました。

ーー予想できない展開が魅力でありポイントだったと思います。

としきち:同人誌のテーマである「この人知りませんか?」を聞いたとき、探されてるのが実は主人公サイドだった、というのだったら面白いかなと思ったんです。もともと逆張りが好きだったので、このロジック自体はすぐに思い浮かびました。ただ物語の根幹とも言える、どういう形で探されている存在にするかは悩みましたね。

ーーこの世を去ってしまった少女から今を悩む青年に繋げる作品でしたが、このあと主人公はどうなったのでしょうか?

としきち:もちろん基本的には読者の想像に委ねていますが、私的には漫画家とは違う道に進んだのかなと思っています。しかしネガティブな意味ではなく、自分の描いたものが認められ、憑物が落ちたような感覚で前向きに筆を置いたのかなと考えていました。普通を取り戻し、自分なりに生きる道を模索してほしいというのが希望です。

ーーとしきちさんの中で好きな点、こだわった点はありますか?

としきち:少女がこの世から去ってしまっているとわかるように、冒頭から影を描いていない点ですね。やはりラストでどんでん返しがあると、どうしても後出し感が出てしまうと思うんです。そこを後出しっぽくなりすぎない、それでいてあまりにもあけすけになりすぎて最初から気付いてしまわない程度の塩梅は描いてて楽しかった部分でした。読み返して気付いてくれる方も多く、嬉しかったです。

ーー今後はどのような漫画を描きたいですか?

としきち:なかなかシナリオが思い浮かばないので手を出したことはないのですが、描きたいジャンルはスプラッタやホラー系です。私自身もその辺の作品が好きでよく観ています。読者の方に楽しんでもらいたいのももちろんですが、やはり自分自身が描いてて楽しい漫画をまた描きたいです。

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