【漫画】妖怪が好きな少女が“向こうの世界”に行ったら……? 漫画『妖怪と少女の夏休み』の展開にゾワリ
ー-子どもに戻り冒険しているかのようなドキドキ感、ハラハラ感を覚えた作品でした。創作のきっかけを教えてください。
かよ:本作は所属していた漫画創作コミュニティの卒業制作として描いた作品です。Twitterでは完成した作品を数ページずつ投稿してきました。
妖怪を題材とした理由として、私が子どものころから妖怪を好きだったことがあります。怖いけどどこか憎めないような妖怪が好きで……。人間と妖怪の交流を通じて、異なる価値観をもっていてもどこかでつながっているような漫画を描きたいと思い、本作を描きました。
ーー個性的なノエミちゃんを描くなかで意識したことを教えてください。
かよ:妖怪に物怖じしないキャラクターだと淡々としたリアクションが続き、読者の方に興味を持ってもらえないことを不安に思いました。そのため表情の変化を大きくしたり、趣味にクセがある子として描き、少しでも興味を持ってもらえるようなキャラクターになるように意識しました。
ーー親しみやすくもあり、怖さも感じる妖怪のキャラクターも魅力的でした。
かよ:妖怪を描くなかでノエミと遊んでいるときには親近感がわくような表情にすること、そしてノエミに呪いをかけようとするシーンではできるだけ怖い顔にすることを意識しました。
また妖怪を子どものようなキャラクターとして描くことも意識していました。人間とは異なる価値観をもつ存在として妖怪を描くことができればと考えていたからです。悪いことでも自分がしたいことを突き通す、わがままな性格をイメージして描きました。
ーー印象に残っているシーンを教えてください。
かよ:ノエミが人間と妖怪の世界にかけられた橋に足を踏み入れるシーンです。ゾワっと寒気を感じるような気持ち悪さを表現するため、背景の木をうねらせて画全体に雰囲気を生み出せるように描きました。
ーー漫画の創作コミュニティに参加するなかでどんなことを感じましたか。
かよ:これほど自分が変わることができるんだなと驚いています。また自分の中でこうしたいという部分が作品に出し切れていないため、これからもっと成長したいなという気持ちも沸々と湧いてきています。
ーーかよさんの気持ちを高めたものは何だったのでしょうか。
かよ:50人近くの漫画を描きたい、学びたいという仲間がいて、お互いに刺激し合う環境があったことが大きく影響していると思います。なにより漫画を「楽しく描く」ということを教えてもらったからこそ、自分の気持ちが変わるまで漫画を描くことを続けられたのかなと思います。
ーー今後の目標を教えてください。
かよ:次はどんな作品を描くか決まっていません。ただ世界観や背景、余韻とかキャラクターの感情とか、うまく伝えられるコマ割りなどー-。やりたいことが山積みです(笑)。
プロの方が描いた漫画を見ていると、どういったことを考えて作品をつくられているのかと思ってしまいます。これからも漫画を描き続け、いつか私も上手な方々のような世界を感じてみたいです。