一見上手な漫画なのに、読む気にならないのはなぜ? プロ漫画家が明かす「引き算」の重要性

 漫画·イラストを描く上で画力が高い人はついテクニックに溺れてしまうこともあるだろう。“描ける”がゆえ、情報量が多くなり、どこを見ればいいのか読み手が困惑してしまう。

 そんな中で大切なのは「引き算」だ。そんなことがよくわかる動画がYouTubeで公開された。アップしたのは元週刊少年漫画誌の連載作家・ペガサスハイド氏。ペガサス氏は視聴者から寄せられた一見上手な漫画やイラストを、プロの目線で細かく添削している。解説のわかりやすさとともに、あくまで本人の長所を生かすアドバイスが心地よく、自分では絵を描かない人も楽しく視聴できる。チャンネル登録者数は15万人を超える。

 3月27日に公開された「【漫画添削47】画力をあげたら次にやること ~プロ絵師·週刊連載漫画家がその理由を教えます~」と題した動画では「うどんげさん」という視聴者から寄せられた1ページの漫画原稿を添削することに。「プロになりたい」と志しているだけあって、かなり完成度の高い作品が送られてきた。

【漫画添削47】画力をあげたら次にやること 〜プロ絵師・週刊連載漫画家がその理由を教えます〜

 ジャンルはバトル・アクションもの。格闘シーンが迫力満点に描かれていて、ペガサスハイド氏も「上手いです! 作者の真剣さが伝わってきます。どこも手を抜いてないアクションシーンがしっかりと描かれていて、人物も背景も全て凝られている作品ですね」と絶賛した。

 しかし、ペガサスハイド氏はこのイラストを知人に見せたところ「すごいと思うけど、読む気にならない」という感想をもらったそうだ。これがつまり情報量が多く、どこに目線を運べばいいのか読者が困惑してしまうという典型的な例だろう。特に漫画誌ではぱっと見で“読みたい”と読者に思わせないと、残酷なまでにスルーされてしまう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる