高田純次がいま振り返る、悩み多き半生 「ストレスを解消するには面白いことを探すしかないね」

高田純次が語る、ストレス解消法

 75歳にしてエネルギッシュに活動を続ける高田純次。そんな彼が3月14日、書籍『50歳を過ぎたら高田純次のように生きよう 東京タワーの展望台でトイレの順番ゆずったら本が出せました』(主婦の友社)を上梓した。お笑い芸人でも俳優でもない、唯一無二のポジションを確立している彼に憧れる人は世代を問わず多い。  

 数々の「悩み」に答える形となっている今回の書籍。「俺が悩みを聞いてほしいぐらいだよ」と言いながらも、真面目なのか、ふざけているのかわからない絶妙な「高田純次節」が全編にわたってちりばめられている。書籍の発売にあたり、これまでに経験してきた「キツイ」仕事や、75歳の今になって考える悩みについて聞いた。 (藤井みさ) 

ずっと悩んでばかりだった?


――この本は、担当編集者の方が高田さんと東京タワーのトイレでたまたま2人きりになって、誰も見ていないのににこやかに順番を譲ってもらったことに感激して、本の企画を立てたと聞きました。その時のことは覚えていらっしゃいますか。  

高田純次(以下、高田):それがほとんど覚えてないんですよね。僕の天使のような行動がこのようなことに結びついたと考えると、その時は尿意がなかったのかな……? 一瞬の縁ですからね。その時トイレにその方がいなくて、僕だけだったら何も起こらないですからね。人生の1ページ、本当に紙一重だなって感じますよ。  

――オファーを受けた時はどう思われましたか。  

高田:あれ、そんな簡単なのでいいのかな、と思ったんだけど、いろいろ(編集者と)会って話したりして、意外と早く出たね。2カ月ぐらいで。  

――今回、たくさんのお悩みに答えてみていかがでしたか。  

高田:この中にある悩み、全部僕が相談したいぐらいですよ。自分もほとんど似たような悩みを抱えてるなと思います。やっぱ、もう75年も生きてるからね。75年のうち50年ぐらいは悩み。今でもだいたい1週間に5日ぐらいは悩んでます。最近は朝起きるとまずほっとするよね。こういう年代だと、寝ちゃってもう起きませんなんてこともあるわけだから。前千葉にロケに行った時におばちゃんに「高田さんは死ぬまで長生きするよ」って言われて「ありがとう」って言ったんだけど、いや考えてみたら当たり前だろうって(笑)。  

――今ご自身が一番悩んでいることは何になりますか。  

高田:女の子がマスクしてることだよね。話しかける時、顔がちゃんと見られなくて残念じゃない(笑)。マスクを外したらイメージが全然違うこともあるし。男性だって、マスクの下は実はヒゲモジャ、なんてこともあるでしょう? 

――たしかに、実態がわかりにくいところはありますよね。  

高田:ほんと、マスクはいろんなことを変えたね。耳が痛くなるしさ、あとは取った時に跡がついちゃうの。目の下にシワみたいになって、急に80代とか90代ぐらいに見えちゃってさ。それがいけないねって思うよ。  

高田純次流のストレス解消法


――悩みということに少し関連してなんですが、高田さんはストレスを感じられることってありますか。  

高田:うーんそうだね、75まで生きてること自体がある意味ストレスだよね。こないだもさ、うちの区でワクチンの注射に行った時、周りがバーッと全員高齢者なんですよ。同級生に「じいさんばあさんばっかでさ」って話したら「それお前も同じだから」って言われたよ。でもさ、自分だけは違うみたいな気持ちで過ごしてるから、なかなか受け入れられないみたいなとこはあるよね。  

――ご年齢のこと以外では何か思うことはありますか?  

高田:そりゃ、いっぱいありますよ。僕なんか、芸人でもない、俳優でもないしアスリートでもない、ミュージシャンでもない。それから、会社員でもないでしょ。自分の事務所はあるにしても、会社員とは違うから。そうすると立場的に難しいなって思うこともあるよ。だからそういう意味では、「もう少しこういうことができるといいな」みたいな鬱屈したものはあったりするよ。僕は音楽もできないから、ギター1つ弾けるだけでも素晴らしいなと思うし。  

 あとはお小水をしたとしてもズボンの中で漏れちゃうとか、顔にシミが出てくるとか、足はつるし……ハハハ! まあいっぱいありますよ。今もカツラなんだけど、髪型もいろいろ調整したいけど1つの形で決めちゃったから、できないし。長髪にしたいとかストレスは多いですよね。  

――(笑)。そうやって、ストレスを感じられた時はどう対処されていますか?  

高田:ストレスの種類にもよるけど、それ以外の面白いことを探すしかないね。普段食ってない天津丼食べるとかさ。何か新しいものに目を向けるといいんじゃないかな。俺なんかも、意外と昔から赤は着ないんですよ。でもたまには赤いシャツも着たりしようとかね。あとたまには長髪にしたりとか髪型も変えてみたりね。あ、カツラじゃないんですけどね(笑)。 

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