絵は「克明に描きすぎない」のもポイント? アメリカ人が描いたグラスの水彩画を日本の“おじいちゃん先生”が添削

 50代のアメリカ人が描いたイラストを、日本でYouTuberとして活躍する“おじいちゃん先生”が添削し、それを動画として公開するーーまさに現代のネット社会らしい、アートをめぐる交流だといえるだろう。

 そんな動画が公開されたのは、海外人気を広げつつある水彩画家&絵画講師の柴崎春通氏が運営するチャンネル「Watercolor by Shibasaki」だ。柴崎氏は、1970年に和光大学芸術学科を卒業し、2001年には文化庁派遣在外研究員としてアメリカに留学。「The Art Students League of New York」等で水彩の研究を行っていたキャリアを持つ。そんな“おじいちゃん先生”こと柴崎氏は視聴者から寄せられた絵画を添削し、その映像をYouTubeで公開している。

 2月20日に公開された「【絵画の添削16】パッと見上手な静物画もプロの画家がお直しすると…? ! 透明のグラス 柴崎 水彩画」と題した動画では、50代のアメリカ人が描いた透明なグラスの水彩画を添削することに。非常に美しい作品に仕上がっており、柴崎氏もこの絵を見て「素晴らしいね。水彩絵の具の扱い方もウェットで良いですね。グラスの透明感もしっかりと表現できています」と語った。

【絵画の添削16】パッと見上手な静物画もプロの画家がお直しすると…? ! 透明のグラス 柴崎 水彩画

 その上で、さらにステップアップするためには何が必要だろうか。柴崎氏は「あまりにも克明に目に映っているものを表現すると、かえって訴えかけるものが弱くなることがある。それが絵の不思議なところなんですよ。あんまり克明に描かない方がいいかなというのが、注意点です」と明かした。

 そこから始めた添削作業。出来上がった柴崎氏の作品を見てみると、グラスの透明感や光の美しさは残ったままで、無駄なものが省かれ、グラスという主人公の存在感が増した印象。ただ、今回は投稿主の画力も非常に高かったため、柴崎氏は「今回はあまりやることがなかったかな」と笑っていた。こんな風に正直に思いを伝えてしまうところも、柴崎氏の持つチャーミングさなのだ。

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