期待以上に面白い『JJM 女子柔道部物語』 金メダリストの実体験を基にした“サビ始まり”のストーリー

『JJM 女子柔道部物語』サビから始める演出

 『J J M女子柔道部物語』の冒頭は、えもが世界柔道選手権大会の一回戦で敗退するシーンで幕を開ける。コーチとともに控え室で顔をゆがめ、悔し涙にくれるーーそこで「1年後のオリンピックで金メダルを獲る」ことが明かされ、場面は柔道と出会う高校時代に移されるのだ。この泣かせの“サビ始まり”の演出は、小林まことが作曲活動をしていることとも関係があるのかも?

 おしゃれに熱心でミーハーで、食べることが大好きで。素直で怖いもの知らずでハツラツとした、えもの豊かな表情に読みながら感情を持っていかれる。高2の「春高全道大会」で優勝、最新12巻では高3となり、大学生や社会人もエントリーする「全日本体重別選手権大会」に参戦。やがて、大きな壁にぶち当たる日を頭のすみに止めながらーー止まらぬ勢いを、いっぱしの柔道家に育っていくえもの成長の足跡を追っていくのが楽しくて仕方がないのだ。

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