『ONE PIECE』実写ドラマ化は成功するのか? ワンピース評論家が見出す、期待のポイント

『ONE PIECE』実写ドラマ化への期待

 「ワノ国編」で四皇vs麦わらの一味の戦いが描かれ、衝撃展開の連続となっている『ONE PIECE』。しかし今本作で注目を集めているのは、原作だけではない。

 2017年に「ハリウッド実写ドラマ版『ONE PIECE』」の制作が発表され、瞬く間に話題となった。「実写版『ONE PIECE』」の情報は、数年掛かりで少しずつ公開されている。そして2021年11月10日、ついにメインキャラ5人のキャストが発表されたのだ。

 今回はキャストの印象や、「実写版『ONE PIECE』」に求めたい内容などを、ワンピース研究家の神木健児氏に聞いた。

「4年前の発表時はやはりファンには実写化アレルギーのようなものがあって、批判的な意見が多くみえました。しかし今回のキャストを知った『ONE PIECE』ファンには、喜んでいる人が圧倒的に多かったと思います。好印象だった1番の理由は、とりあえず有名な俳優を使っておこうという姿勢ではなく、しっかりとキャラクターに合っている人をキャスティングしていたからでしょう。今回のキャスト発表では、尾田先生の直筆コメントが添えられており、手の大きさや雰囲気まで考慮して選んだと書いてありました。発表された俳優も、海外ドラマが相当好きでないと知らないような方ばかりだったと思います。名前や過去作で選ばず、とことん各キャラや作品との相性で選んでいるようでした。そこがポイントで、実際に『この人なら我々の大好きな彼らを任せられる』と思えたキャスティングだったと感じています」


 各々がキャラにぴったりだと語る神木氏は、キャストとキャラクターに共通点があると言う。

「外見や雰囲気をみても、本当に皆ぴったりだと思いました。『ONE PIECE』の単行本に収録されている『SBS』で、尾田先生が麦わらの一味それぞれにイメージしている国があるとすればこの国、といった「イメージ国」が言及されたことがあるんです。全員が全員その国なわけではないんですけど、大体の地域は合致していて。そういう細かい部分もしっかりと合わせているようでした。日本刀を腰にさすゾロのイメージ国はやはり日本で、キャストも日本人の真剣佑さんでした。彼はハリウッドの『聖闘士星矢』でもキャスティングされているので、実写版無双状態ですよね。父親である千葉真一さんにも『侍』のイメージがあるし、実力的にも真剣佑さん以外いないよなという感じです。また『Netflix』で配信する点も、重要なポイントだと思います。俳優さん達は『ハリーポッターシリーズ』のように、本作をきっかけにスターになっていくのではないでしょうか」

 マンガ作品の実写化自体に賛否両論がある中で、神木氏が本作に期待している理由とは。

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