一見上手な“アニメ好き少女”のイラストがプロ漫画家の添削で激変 かわいらしさを表現するシルエットの描き方

 各種アプリやウェブサービス、SNS等の隆盛により、漫画やイラストを“掲載”できる場が急激に広がったことで、ウェブ発の人気作品も数多く登場している昨今。プロを目指す漫画家の卵もそれだけ多く、キャラクター造形やストーリー作り、作画&コマ割りなど、独学ではなかなか解決できない悩みを解決してくれる”添削動画”が人気を博している。

 YouTubeで検索すれば多くの動画が見つかるが、なかでも「元週刊少年漫画誌の連載作家」という経歴を持ち、親身になったアドバイスと熱のこもった指導で人気を博しているのが、ペガサスハイド氏だ。素人が見ればすでに上手なイラストや漫画が、プロの目線で細やかにチェックされ、見る見る改善していく様子が楽しく、またペガサスハイド氏はあくまで応募者の個性を大事に、楽しいトークを交えて添削を行うため、見ていて心地がいいのも、人気の要因だろう。チャンネル登録者数は1月8日現在で、15.2万人に及ぶ。

 1月8日公開の動画で取り上げられたのは、漫画家を目指しているという、雪さんのイラストだ。架空のアニメ作品『マジくるっ!』の主人公の髪型を真似している少女で、表情やポーズがかわいらしい。しかし、本人はキャラクターの手足を描くのが苦手で、その点を特に添削してほしいという。

#72 一見上手なイラストもプロが見れば? アニメ好き美少女をアナログでレベルアップ

 ペガサスハイド氏はいつもどおり、この作品の「良いところ」から分析していく。「表情が癒し系でかわいい」「ポーズに元気があり、足が内股なのもかわいらしさを表現している」「頭の先から足の先まで線が丁寧で、美しく仕上げようとしているのもすごく印象がいい」と評価し、また作者本人が言うように、確かに手足の描写がアンバランスに見えるが、この点についても、「自分で欠点に気付いている人はどんどん上達する!」と、太鼓判を押していた。果たしてペガサスハイド氏は、この絵をどのように添削していくのか。

 元絵をトレースし、ディティールを整え、ペンを入れて、スクリーントーンを貼って仕上げまで行う様子が、雑談とともに展開されていく。プロ漫画家の作画の工程が見られるだけでなかなか楽しいものだが、細部にこだわる前に、身体全体のバランスやシルエットをしっかり確認することの重要性が伝えられた。服に隠れた身体のラインをしっかり意識して描き出すことで、表に見えている“服のシワ”の描写も変わってくる。

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