どうしてそんなことを!? 『ガラスの仮面』桜小路優の予想を超えた行動3選

『ガラスの仮面』桜小路優の予想を超えた行動

マヤを連れ出しお揃いのペンダントを買う(42巻)

 ところで桜小路の彼女・麻生舞は、この後も長く本作に登場する。マヤに初めて会ったときから彼女を敵視し、わがままな妹キャラで、舞のことが苦手な『ガラスの仮面』ファンも多い。

 だが桜小路が「恋人」として舞を扱っている場面はそんなになく、むしろ『忘れられた荒野』でマヤの相手役にキャスティングされてからは、心が完全にマヤに戻り、舞のことを忘れ去っている場面も多々ある。

 きわめつけが『紅天女』試演に向けての稽古の頃のエピソードだ。桜小路は、あることで落ち込んでいるマヤを遊園地に連れ出し、イルカのペンダントをプレゼントし、ペアのペンダントがあると聞いて自分で買う。

 有頂天になる桜小路に、マヤは「舞さんに悪いから」とペンダントを返そうとする。そこでようやく桜小路は舞の存在を思い出すのである。だが、それは桜小路の気持ちは「もうマヤしか見えない」状態である。

 舞という存在は、桜小路のマヤへの想いの強さを測る存在として機能している。彼女は桜小路本人よりも敏感にそれを感じ取る。

 いったん思い出したものの、舞のことはすぐに桜小路の頭から消える。うまくマヤを言いくるめてペンダントをつけてもらうことに成功し、直後に、『ガラスの仮面』ファンの中では有名な「ガラケーの画面に映るマヤの写真にキス事件」も発生する。

 速水だけではなく、桜小路もマヤによってどんどんと常軌を逸していくのだ。

天然の小悪魔・マヤに振り回される桜小路優

 マヤは、自然に発した言葉や行動で、無意識のうちに男を翻弄する小悪魔タイプの女性だ。

 序盤の桜小路優はさわやかで明るい少年だった。だがマヤに出会い運命が変わる。速水と同様に、マヤを想うあまり、時に予想外の行動をする男になってしまったのだ。

 現在、桜小路は舞と別れ、マヤに対して「待つ男」状態である。

 最後にマヤが結ばれるのは速水か桜小路か、それともどちらとも結ばれないのか…その結末を早く見たいと願うばかりである。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「書評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる