『グッドモーニング・キス』菜緒の今後が気になりすぎる 過去の“ハプニング同居モノ”から結末を考察

『グッドモーニング・キス』結末を考察

 11月25日に高須賀由枝『グッドモーニング・キス』(集英社)の最新20巻が発売された。本作は、1997年から2002年まで少女マンガ誌「りぼん」で連載していた『グッドモーニング・コール』の続編で、大人になった主人公・吉川菜緒たちが描かれる。

『グッドモーニング・コール』

 前作の『グッドモーニング・コール』は、悪質な不動産屋にひっかかった中学3年生の主人公・吉川菜緒と、上原久志がやむを得ず同居するところから始まる物語。いわばハプニング同居モノである。最終回で二人は同居を解消したものの、同じマンションの隣同士の部屋に住むことになった。

 そして、今作の『グッドモーニング・キス』は、菜緒たちが大学生になったところから始まる。今作では、菜緒と上原くんは就職や進学の事情で離れ離れになったり、菜緒とその親友・紺野まりながシェアハウスをしたり、また上原くんと同居をしたりと落ち着かない状態が続いている。そして、最新20巻では、まりなと遠距離恋愛中の彼氏・光石優一(通称・みっちゃん)の結婚の行方が描かれる。

 本記事では、まりなが結婚に至る経緯を振り返るとともに、数多あるハプニング同居モノの特徴について考える。

※以下ではネタバレを含みますのでご注意ください。

 19巻までのあらすじを少し説明すると、主人公・吉川菜緒とその彼氏・上原久志は、中学時代に同居をキッカケに付き合い始める。社会人となった現在は婚約中である。菜緒の親友である紺野まりなは中学時代から付き合っている彼氏の光石優一(通称・みっちゃん)との結婚を控えていてナーバスになっていた。そんな時、IT社長に縁切り神社に行かないかと誘われ、一緒に出かけるまりな。しかし、帰宅途中にみっちゃんと遭遇してしまう。まりなとみっちゃんの関係はどうなる!?

菜緒の親友・まりなの結婚

 最新20巻のみどころと言えば、まりなの結婚の行方だろう。『グッドモーニング・キス』1巻で、まりなは「結婚は人生の墓場」とまで言い、結婚はしたくないと言い張っていた。また、学生時代から付き合ってきたみっちゃんとは遠距離恋愛をしていて、「このままで幸せになれるのか」と自問自答するシーンも描かれていた。菜緒と二人でパリに旅行に行った際には、みっちゃんとの別れを決意したこともあった。その後、みっちゃんからプロポーズをされたものの、上司からのパワハラなどで疲れ果てていたまりなは、結婚生活に対して不安になり結婚をやめると言い出し、不安定な様子に……。しかし、中学時代の共通の友人・あべっちが間をとりもったことにより、二人の関係は修復。まりなとみっちゃんは、なんとかゴールインするに至った。

 菜緒の親友であるまりなの結婚を描きライフステージを進めたことにより、菜緒の結婚も近いのではないだろうかと予感させられる。しかし、結婚だけが物語のゴールなのだろうか。他のハプニング同居モノはどのように物語を終わらせていったのだろうか。

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