『グッドモーニング・キス』菜緒の今後が気になりすぎる 過去の“ハプニング同居モノ”から結末を考察
ハプニング同居モノの特徴とは
ひょんなことから同居を余儀なくされるハプニング同居モノは、マンガにおいてお決まりのパターンだ。例えば、高屋奈月『フルーツバスケット』(白泉社)や吉住渉『ママレード・ボーイ』(集英社)、高橋留美子『うる星やつら』(小学館)など枚挙にいとまがない。
ハプニング同居モノの魅力は、日常生活でありながら非日常感を楽しめるところにある。例えば、擬似的な家族が形成されていく過程のぎこちなさ。学校と家での登場人物の性格のギャップを知り、生まれる新しい感情。普通に生活していたら味わえないことを楽しめるのもマンガならではだろう。
ところでハプニング同居モノはどのように終わることが多いだろうか。いくつかの作品では今までと変わらず仲良く暮らすパターンで終わるが、作品によっては、結婚によって物語が終わる印象もある。ハプニング同居モノの多くの場合、最初はお互い恋愛感情がないところから始まる。そのため、他人なのに何故か一緒にいるという微妙な関係性が続いてしまい、恋心が芽生えても表に出しづらい奇妙な空気感が生まれる。そのギャップを結婚によって解消していくことで、家族となり物語が収束していくのだろう。
さて、現代には多様な家族のかたちがある。もしかしたら、結婚以外の関係性も現実味を帯びて感じられるかもしれない。『グッドモーニング・キス』では新しい家族のかたちを見ることができるのだろうか。今後の展開に期待したい。
他にも、今回まりなとみっちゃんの間を取り持ったあべっちの恋の行方も気になるところ……。どうか幸せにしてあげてほしい。そして、20巻では菜緒に好意を見せるフードテック系ベンチャー企業社長の水野も登場する。なんだかんだモテモテの菜緒の今後の行方が見逃せない!