女子高生×霊能力漫画『見える子ちゃん』に衝撃展開? 読者を没入させる魅力を考察

『見える子ちゃん』に衝撃展開?

 「WebComicアパンダ」で連作中の『見える子ちゃん』(泉 朝樹)が、想像以上に面白くなってきている。同作は2018年より連載されている漫画作品で、2021年10月からはテレビアニメ化。SNSなどでの評判も上々だ。

※本稿は『見える子ちゃん』のネタバレを含みます。

 『見える子ちゃん』の主人公は、ある日突然異形な“ヤバい”やつらが見えるようになってしまった女子高生・四谷みこ。家でも、街でも、学校でも、異形の霊たちはみこへ「見えてる?」と問いかけてくる。だが、みこは徹底的にスルー。見えていない振りをし続けている。だが、日に日に霊の姿が鮮明に見えるようになってしまったことに加え、親友であるハナやみこほどではないが霊が見えるユリア、霊能力者であるゴッドマザー、その元弟子である神童ロムなど、周りの人々と関わることで様々なことが巻き起こっていく。

 一見すると女子高生が淡々とこの世ならざるものを無視し続けるという日常系ホラー・コメディと思えるが、同作にはストーリーが進むごとにのめり込んでしまう設定が組み込まれている。例えば、「見えている世界の違い」。みこは力が弱いとされる霊から、“山の神様”と言われる強い霊まで全て見えてしまう。しかし、自分で除霊する力は持っていないため、混沌とした光景が見えていても何事もないように全力で無視をしてやり過ごし続けている。

 一方、親友のハナは一切霊を見ることができないだけでなく、ホラーや心霊系が大の苦手。学校で怪談話が話題になったただけで涙ながらに怯え、代わりにロッカーを開けるようにみこに頼んでいたことも。だからこそハナを怖がらせないように、みこは見えることを一切相談していないのだが、ハナの生命オーラはかなり強大。意に介さず様々な霊を引き寄せてしまう体質なのだ。そのため、ハナと常に行動を共にしているみこは霊を頻繁に目にしてしまう、というわけだ。

 そして、友人のユリアは力が弱い霊であれば見ることができる体質。さらにみこには見えないハナの生命オーラを見ることも可能だ。みことは見える者同士なのだが、アンジャッシュのコントのようなすれ違いがたびたび発生して、イマイチ絆が深まっていかない。それどころか、ユリアはみこのことをとてつもなく強い力を持った霊能力者だと勘違いしてしまっている。

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