桂正和「こんな絵にしてしまった自分を呪っている」 まさかの動画出演で明かした画力の秘密

 漫画家の桂正和氏が12月7日、この世の不思議に迫る人気YouTubeチャンネル「不思議大百科」に出演し、視聴者を驚かせた。

 桂正和といえばもちろん、『ウイングマン』や『電影少女』、原案として『TIGER & BUNNY』を手がけるなど多くのヒット作を抱え、その画力でも世界中のファンを魅了してきた、漫画界の大御所だ。そんな桂氏が、オカルトコレクターの田中俊行氏&プロミュージシャンで怪談イベントも主催する下駄華緒氏による「不思議大百科」に出演することになったのは、自身が怪談好きで、同チャンネルの大ファンだから。「『ウイングマン』から見てました」と恐縮する二人とともに、トークを展開した。

 繊細で美麗な絵のイメージから、その豪快なキャラクターに驚いたファンも多かったようで、楽しいやりとりはぜひ動画でチェックしてもらいたいところだが、冒頭から「連載中の忙しさって、どんななんですか?」(田中氏)と、ファンが気になる質問が飛び出す。

 答えは「人によってさまざま」で、例えば『こち亀』こと『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の秋本治氏は、「毎日9時〜17時くらいで、ちゃんとやっている」(桂氏)。しかし桂氏の場合は、「ズルズルやっちゃってスタッフにも迷惑をかけるんだけど、週8日はやってますね」「僕の名前を聞くと、印刷所はイラッとすると思う(笑)」とのこと。服のシワひとつにもこだわる桂氏の作画は当然のように労力がかかり、「こんな絵にしてしまった自分を呪っている」と、冗談めかして語っていた。

 桂氏が『ウイングマン』で連載デビューを果たしたのは、まだ20歳のころ。当時はアシスタントもついておらず、あまりの激務に2日目で「辞めたい」と思ったというエピソードも明かされた。そもそも漫画を読むタイプではなく、中学生のころ、オーディオ機器の購入資金がほしくて何も分からずに「手塚賞」に応募したが……という、漫画家になるまでのストーリーも面白く、天才的に思える作画が、血の滲む努力の末に得られたものだということも、あらためて伝わってきた。

 そして動画の後半では、チャンネルのコンセプトに合わせて、桂氏が体験した「不思議な話」が展開された。まだ実家で仕事をしていた当時、目の前には学校があり、夏になると夜中にグラウンドからサッカーボールを蹴る音が聴こえてきて……というエピソードから始まり、不思議な話がいくつか語られている。漫画家・桂正和の誕生秘話を知りたい人も、季節外れの怪談話にひんやりしたい人も、ぜひ動画をチェックしてみよう。

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