【漫画】動物嫌いの男性、恋人が子犬を連れてきたら……? 人の“苦手”について考えさせられる漫画が話題
4年の時を経て公開した読み切り
ーーご自身のTwitterにアップされた『動物が嫌いな話』が大きな反響を呼んでいますが、今回の反響を受けてのお気持ちや、印象に残った読者からの感想がありましたら教えて下さい。
やまだはるか:『動物が嫌いな話』は、4年くらい前に講談社『BE・LOVE』で描かせていただいた読み切りなんです。今よりも絵が拙くて、Twitterにアップしてもほとんど読まれないんじゃないかと思っていたので、想像以上にたくさん方に読んでいただいたのはとてもありがたいです。
読者さんからの感想については、同じ作品を読んでも人によって注目するポイントが違う、という点がすごく印象的でした。この作品を読んで主人公のトラウマに注目する人もいれば、相手の苦手なものを理解して、一方的に押し付けない心が大事だよねって改めて考える人もいて......。作品を通して何かしら考えるきっかけになれたということなら、とても嬉しく思いますね。
ーー4年前の作品を改めてTwitterにアップしようと思ったのは、何がきっかけだったんですか?
やまだはるか:以前、今まで描いてきた短編を一冊の本にまとめた『やまだはるか短編集 うもれてきえた』を出させてもらったのですが、『動物が嫌いな話』はちょうど短編集が発売された後に描いた作品だったんです。短編集には収録されていない話だから、ちょっと載せてみようかな......という気持ちでアップしました。
苦手なものや嫌いなものにはきっかけがあるはず
ーー18歳の時に描いた読み切り作品だと説明されていましたが、本作はどういったところから着想を得たのでしょうか。
やまだはるか:誰しもが心に抱く苦手なものや嫌いなものには、何かしらの理由があるんじゃないかって思ったんです。例えば、学校の体育が嫌いな人って、体育の時間に恥ずかしい思いをしたのがきっかけかもしれなくて、運動が嫌いかどうかは分からない......。何かしらのきっかけがあって、苦手なものや嫌いなものが生まれるというニュアンスを漫画にしたくて描き始めた記憶があります。
ーー作品を描くにあたり、印象に残っているところや苦労しているシーンはありますか?
やまだはるか:この作品は、自分が思うようにのびのびと描かせていただいたので、苦労した点はそんなになかったですね。ただ、重い話なので後味が悪くならないように読後感には気をつけました。希望のあるラストになっているので、そこに注目してもらえると嬉しいです。
ーー主人公は動物全般が苦手という設定でしたが、作中に登場する動物たちのなんとも言えないリアルさが印象的でした。
やまだはるか:私は動物が好きなんですけど、主人公と同じように動物って可愛いだけではなく少し気持ち悪さを感じる瞬間があるなと。だからこそ、作中に登場する動物たちは可愛いだけじゃなく、ちょっと怖いかなっ?て思うくらいリアルに描くことを意識しましたね。これから読まれる方には、動物の描写にも注目してほしいです。
現在連載中『ならずもの恋慕』の見どころ
ーー現在、「月刊コミックバンチ」にて連載中の『ならずもの恋慕』は、ヤクザとの危険な恋、そし叶わない愛を描いた切ないストーリー展開で話題を呼んでいます。最後に今後の見どころについて教えてください。
やまだはるか:『ならずもの恋慕』に関しては、恋愛要素やヤクザのアクションシーンはもちろん、今回読んでいただいた『動物が嫌いな話』のように人の細かい心理描写を大切に描いていきたいので、それぞれの登場人物たちの揺れ動く感情に注目して読んでもらいたいですね。
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