フェラーリF40、トヨタ2000GT、ポルシェ911……『こち亀』に登場した憧れの名車たち
日本を代表する長寿漫画のひとつ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』には、時代を彩った数多くの名車が登場し、見るものを楽しませた。
今回はそんな『こち亀』に登場した名車を振り返ってみたい。
フェラーリF40
実家が財閥で、超金持ちである中川圭一。巨大な駐車場に数多くの高級車を停め、「全部僕の車ですよ」と胸を張ったカーマニアである。
気分で乗る車を変えると話す彼だけに、作品で乗りこなした車もフェアレディZやランボルギーニカウンタック、ブガッティ110など多岐にわたっていた。
そんな中川の愛車として定着したのが、フェラーリF40(メイン画像)。1987年にフェラーリ社が40周年を記念して発売した車で、創業者のエンツォ・フェラーリの「そのままレースに出られる市販車をつくる」という理念に基づき、最高速度が324キロに設定されている。
その美しさと速さから、全世界で高い人気を誇り、最近のオークションでは2億5000万円の値がついたことも。高級感と抜群のレーシングテクニックを必要とする難易度の高い車を難なく乗りこなす中川の姿に、憧れた男性読者も多かった。
トヨタ2000GT
旧車を愛する大原部長が「若い頃から憧れていた」と話した車が、トヨタ2000GTだ。1967年から1970年まで生産された車で、国産車初のスポーツカーともいわれる。ちなみに生産台数は337台で、現在手に入れることは極めて難しい。
自動車に精通した中川が部長のために2000GTを専門に扱う「2000GT屋」を紹介。店主はでパーツを集めて2000GTをレストアして販売する業者で、純正度によって値段をランク分けしていた。両津勘吉は「ほとんどに偽物じゃないか」とツッコミを入れていたが、部長はその出来に満足したようで、購入していた。
希少価値の高いトヨタ2000GTに憧れる部長の少年のような心と、「レストアする」という発想は、こち亀ならではのもの。また、漫画でありながら本物のように描かれたトヨタ2000GTもさすがだった。
ポルシェ911
中川同様、実家が大金持ちの秋本麗子。彼女はMiniに乗る描写もあったが、愛車として定着したのがポルシェ911だ。
デザインは少々かわいらしいが、抜群の性能を誇り、速さは折り紙付き。なんとなく麗子のキャラクターと似ている車のようにも思える。
両津が本気で焦るほどのスリリングなドライビングテクニックと美貌を持つ麗子に最適な一台といえよう。