『ONE PIECE』ロビンの新技“悪魔咲き”に込められた意味とは? ワンピ研究家が考察

『ONE PIECE』ロビンの悪魔化を考察

 いよいよ最終決戦への火蓋が切られた『ONE PIECE』ワノ国編。激しい戦闘が続く中で、麦わらの一味たちは新たな力に目覚めつつある。どのメンバーの新技も気になるところだが、中でも深読みを誘うのはロビンの新技ではないだろうか。考古学の聖地・オハラの生き残りであり、歴史の本文(ポーネグリフ)を読み解くことができるため、一味が“ワンピース”を手に入れる鍵になると見られるロビンだけに、第1021話「デモニオ」で見せた新技“悪魔咲き(デモニオフルール)”にも様々な憶測が広がっている。

 ハナハナの実の能力で、悪魔のような風貌の巨大化した分身を作り出した“悪魔咲き”という技には、いったいどんな可能性があるのか? ワンピース研究家の神木健児氏に話を聞いた。

「第1021話でまず注目したいのは、悪魔のような分身を作り出したロビンが『悪魔にだってなるわ 本当に必要としてくれる人達がいるから……!! 頼ってくれる人がいるから……!!』と語っているところです。と言うのも、ロビンは故郷のオハラで、その能力ゆえに“ようかい”や”化け物”と呼ばれていました。さらにオハラを出て手配書が配られ、決して悪いことをしたわけではないのに危険な存在であるということで”悪魔の子”呼ばれていたわけですから、子どもだったロビンは深く傷ついたはずで、“悪魔”と言う言葉が彼女にとってトラウマだったとしてもおかしくありません。ところが、この戦いの中でロビンは、仲間のために自ら悪魔になると宣言している。トラウマを克服して、プラスに転換できるほど仲間を信頼しているという証で、ファンとしてはそこにグッときました」

 “悪魔”と言う呼称に物語上で重要な伏線が隠されているのではないかという仮説もあるが、それに対して神木氏は「やや飛躍しすぎではないか」と冷静に見ている。

「“悪魔咲き”はハナハナの実の能力の延長線上にある技で、悪魔のように容赦のない攻撃をする、という意味だと考えています。たしかに『ONE PIECE』にはこれまでも“悪魔”という言葉は頻出していて、ロビンが“悪魔の子”と呼ばれていたのもそうですし、言ってみれば“悪魔の実”だってそう。“Dの一族”が“神の天敵”とも呼ばれていることから、神と悪魔の戦いのような、スケールの大きい神話的な世界も想像できますが、あくまでもそれは比喩的な表現なのかなと。ルフィの祖父であるモンキー・D・ガープの“ガープ”は、悪魔学における悪魔の一人の名前でもあるので、尾田栄一郎先生がそうした世界をモチーフにしているところはあるかもしれません。もちろん、『ONE PIECE』の世界に神や悪魔と呼ばれる存在がいる可能性は、ゼロではないと思います」

 一方、悪魔化したロビンの全身が黒色だったことから、武装色の覇気を覚えたのではないかとの見方もある。

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